外国人投資家が買いに転換か

2016年10月24日 08:00

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記事提供元:フィスコ


*08:00JST 外国人投資家が買いに転換か
外国人投資家は今年に入ってから9月まで実に約7兆円も日本株を売りまくった。これはリーマン・ショック時に並ぶ史上最高レベルの売りだった。要因はチャイナショックやブリグジットショックなどによりリスク回避の動きが重なったことや、円高に振れたことにより日本企業の業績へ懸念が高まったことが挙げられる。アベノミクスへの失望を挙げる向きもある。
 日本株は外国人の売買比率が約6割、保有比率も約3割となっており、外国人投資家の動向が及ぼす影響は大きい。今年に入って日本株が軟調に推移してきたのは外国人の売りの影響といえる。
 ただ、ようやく少し風向きが変わってきたようだ。東証の売買動向によると、海外投資家は10月に入って第1週には先物と現物あわせて7659億円、第2週には同1774億円と2週連続して買い越しに転じている。逆に個人や国内金融機関等は2週連続の売り越しが目立ち、外国人の一手買いの様相となっている。
 日経平均株価もいわゆるダブルボトムを形成しつつあり、強含んでいる。先週の金曜日には引け際に鳥取で大きな地震が起こり、日経平均株価は終値で前日比マイナスに沈んだが、地震がなければ17200円~17230円程度で引けた公算が大きい。いつの間にか、ブリグジットショック前高値17572円(4/22)にかなり接近してきた。
 外国人投資家は一度トレンドが発生すると売り買いが続く傾向が強いと言われているので、今週・来週の売買動向は非常に注目される。
 なお、日銀の通常のETF買いは10月に入って1日しか実施されておらず、年末に向けてこちらの枠も十分残っている。むしろ、枠を消化するためには、前場のTOPIX終値が前日比プラスでも買いに入らなければならないかもしれない。買い支え効果がより発揮される状況になっているといえよう。《YU》

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