日米金融政策は現状維持がコンセンサスだが

2016年9月20日 08:02

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記事提供元:フィスコ


*08:02JST 日米金融政策は現状維持がコンセンサスだが
奇しくも、米国では利上げ観測を巡って、日本では「総括的検証」の意味を巡って大きな議論を呼んでおり、ともにビッグイベントとして注目が高まっている、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合が今週の20日・21日の両日に同時に開催される。おまけに、最近リスクイベントと化している日銀金融政策決定会合の方は、日本の連休の谷間にすっぽり挟まるというスケジュールで、なぜこのような日程にしたのか理解に苦しむ。
 ただ、米国の方は相次ぐ米連邦準備理事会(FRB)メンバーのタカ派発言にもかかわらず、雇用統計以外の経済指標がさえないため利上げは行われず現状維持、日本の方は黒田日銀総裁が総括は「金融緩和策の縮小の方向ではない」と明言していることからこちらも現状維持が見込まれ、大きな波乱はないと思われる。
 米国は海外で何らかのショックが起きるようなことがない限り、年内1回の利上げを徐々に織り込んでいく展開となろう。
 もっとも、日本の方は「総括的検証」の内容やアナウンスの仕方次第で今後に禍根を残す可能性があることに注意が必要だ。
 黒田日銀総裁の口ぶりから「物価目標に対して金融緩和は有効」という結論部分は確定していると思われるが、マイナス金利の深掘りや量的緩和の拡大可能性についてどのようにコメントを出すか注目される。前者はマイナスインパクトの方が大きいのではないか、後者については限界ないし拡大は困難なのではないかということが焦点だ。話題となっている外債の購入については、法令上の問題がまだ煮詰まっていないため今回は何も出ないだろう。
 なお、日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れについては、「日経平均型」の買い入れ額が減少されるとの観測が出ている。NT倍率(日経/TOPIX)の歪を是正するためにこちらはあるかもしれない。
 どうせならこの際、日本の個人投資家がダイレクトに恩恵を受けるマザーズやジャスダックを買ってはどうだろうか。《YU》

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