JAXA、「ひとみ」の異常事象調査報告書を公開

2016年5月26日 17:18

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 JAXAは24日、異常事象により通信途絶その後復旧を断念したX線天文衛星「ひとみ(ASTRO-H)」について、詳細な調査報告書を公開した(プレスリリースひとみ特設サイト)。

 今回の報告書では、発生した事象についての記述もさることながら、特に直接の原因となった不適切なパラメータが設定された理由について詳細が記載されている。それによると「パラメータ変更作業はJAXAから運用支援業者に依頼する形で行われたが、運用計画を規定する文書に明確に記述されておらず詳細が共有されていなかった」「パラメータを入力するツールが設計を熟知した開発者用のもので手順書なども準備されていなかった」「計画にない作業を追加したことで業務が輻輳し、指示が曖昧になった」「検証の結果確認プロセスが明確化されておらず、パラメータの検証が行われなかった」といった多くの運用上の問題が重なり、今回の事象が発生したことが伺える。

 報告書ではまた、問題が起こった設計/運用上の背景についての分析もなされている。なお、本調査報告を受けての対策とまとめは次回提示とされている。

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