シビック復活を宣言したホンダ 低迷脱出なるか

2016年5月18日 08:20

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

ホンダが「シビック」の国内再投入を表明した。八郷社長は記者会見で「昨年11月にフルモデルチェンジしたシビックは、日本でも発売を検討していく」と述べ、北米で発売した新型シビックを国内にも投入し、低迷を突破したい考えだ。

ホンダが「シビック」の国内再投入を表明した。八郷社長は記者会見で「昨年11月にフルモデルチェンジしたシビックは、日本でも発売を検討していく」と述べ、北米で発売した新型シビックを国内にも投入し、低迷を突破したい考えだ。[写真拡大]

 ホンダ<7267>が「シビック」の国内再投入を表明した。八郷社長は記者会見で「昨年11月にフルモデルチェンジしたシビックは、日本でも発売を検討していく」と述べ、北米で発売した新型シビックを国内にも投入し、低迷を突破したい考えだ。

 1972年に初代シビックの販売開始以来、世界戦略を担う主力車であった。69年から生産販売していた小型乗用車「1300」の大失敗で四輪撤退が囁かれていたが、初代シビックが世界的大ヒットを記録し、見事に立ち直ったという歴史がある。

 日本においても社会現象を巻き起こし、国内では大型サイズだったトヨタ<7203>・クラウンや日産<7201>・スカイラインなどのユーザーがシビックに乗り換えるほどであった。さらに、73年の第一次オイルショックなど排ガス規制が追い風となり、アメリカでも大成功をおさめ、低公害エンジン「CIVIC CVCC」が米国自動車技術者協会(SAE)AUTOMOTIVE ENGINEERING誌「20世紀優秀技術車 70年代版」を受賞した。

 初代から7代目までは小型乗用車の分類で、3ドアおよび5ドアのハッチバックと、4ドアセダンを展開。8代目からは3ナンバーサイズの中型乗用車となり、日本仕様は4ドアセダンに限定されていた。2010年8月31日に生産が終了し、日本での38年の歴史に幕を閉じることとなったが、18年までに北欧仕様をベースとした4ドアセダンモデルの投入がされる。

 ホンダの現状を見ると、決して順風満帆とは言えない。昨年度の決算発表では主力車フィット・ハイブリッド車の度重なるリコール問題で下方修正を二度行い、国内販売で苦戦する最中、熊本地震で二輪工場が被災。タカタ製のエアバックを搭載したホンダ車のリコール問題も絡んで今後の業績見通しの精査などに時間を要し、3月期決算の開示の延期を余儀なくされた。

 そして、4月28日に予定していた3月期の決算開示が5月13日に行われたが、ホンダを除く5社が過去最高の営業利益もしくは純利益をたたき出した一方、ホンダだけが前期比24.9%の減益のひとり負け状態であることがわかった。タカタ問題も依然先行きが不透明である。またしてもシビックがホンダの窮地を救う救世主となるか。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
【自動車部品業界の2016年3月期決算】北米向けが好調で前期はおおむね好決算。しかし今期は円高を想定し保守的な見通し
田中貴金属、燃料電池用白金電極触媒をホンダに供給、FCV「クラリティ」に採用
三菱自の燃費データ不正問題で、4月の三菱自、日産の軽自動車販売激減
ホンダ、中国現地生産のアキュラブランド新型SUV「CDX」を発表
懐かしいモデル名で“復活”。ホンダの中国最上級SUV「アヴァンシア」登場

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事