JSR、小野薬品、大塚HDなど/本日の注目個別銘柄

2016年4月12日 16:26

印刷

記事提供元:フィスコ


<4064> カーバイド 169 +27急伸で上昇率トップ。「ファインテック ジャパン」において、リフレクターで映像を反射させて空中に像を映す“空中ディスプレイ”を出展、先週7日にはVR関連としてのテーマ性が高まり急伸する展開となっていた。その後は利食い売りが優勢となっていたが、本日はバンダイナムコがVR体感施設を公開と伝わったことで、あらためて同社を含め関連銘柄への期待感が高まる状況となっているもよう。

<5938> LIXIL 2169 -21売り先行。通期業績予想を下方修正、営業利益は620億円から570億円に、最終損益は50億円の黒字から200億円の赤字に修正している。国内新築需要の見通し下振れが営業利益の下振れ要因につながったほか、国内外における退職給付債務、不採算事業の減損損失、中国ビル事業の損失などが特損計上されているもよう。一過性要因のウェイトが高いものの、IFRS移行に伴う影響なども見極めにくく、悪材料出尽しとはなっていないようだ。

<4578> 大塚HD 4200 +325大幅反発。モルガン・スタンレーMUFG証券では、投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も4200円から5200円に引き上げているもよう。2017年以降には4つのアルツハイマー新薬の結果が集中するが、これら新薬を除いても、2ケタ成長が十分可能なほど新製品が充実していると評価。17.12期の予想PER23倍水準は割安と考えているもよう。

<4185> JSR 1409 -95急落。前日に通期業績予想の下方修正を発表、営業利益は410億円の従来予想から340億円に減額修正している。円高の進行やフラットパネル・ディスプレイ材料などの多角化事業減速が業績下振れの背景に。下振れは想定されていたものの、市場予想は380億円程度であったとみられる。1-3月期営業利益は前年同期比41%の大幅減益となっており、17.3期業績コンセンサスなども切り下がる状況に。

<4528> 小野薬品 5383 +247大幅高。がん免疫薬「オプジーボ」の今期売上高は前期比6倍の1260億円になる見通しと前日に発表している。市場想定との比較でサプライズは限定的だが、腎細胞がんの適応拡大が含まれていないほか、競合薬発売の影響を大きくみており、かなり保守的な予想との見方が強まっている。また、薬価改定を踏まえてのガイダンスリスクも強く意識されていたことで、買い安心感にもつながっているようだ。野村證券では、5-6 月のポジティブイベントにも注目として、目標株価を5200円から6700円に引き上げている。

<8303> 新生銀 145 +10急伸。本日は銀行セクターが業種別上昇率トップになっている。イタリアの銀行株が大幅に上昇したことも安心感を誘い、全般的なショートカバーの流れに乗っているようだ。同社に関しては、個人向け無担保ローン事業を強化するなどの報道も伝わっている。ノンバンク事業のウェイトの高さが、マイナス金利の状況下における期待材料につながってきてもいるもよう。

<3654> ヒトコミュ 2181 -55反落。前日に上半期の決算を発表、営業利益は15.1億円で前年同期比49%増益、従来予想の13.7億円を上振れる着地に。第1四半期決算時に上半期の業績予想を上方修正して、株価は急伸した経緯があるが、今回も通期予想は据え置きとしていることで、短期的な出尽し感が先行する格好になっているようだ。

<2670> ABCマート 7130 +140切り返す。前日に前2月期の決算を発表、営業利益は415億円で前期比5%増益、従来計画の407億円を上回った。一方、今2月期営業利益は427億円で同3%増益の見通し。こちらは市場予想を15億円以上下回っていると見られる。為替円高のプラスメリットが大きいほか、3月の既存店売上高も順調スタートになっていることから、見通しは保守的と捉えられているもよう。業績見通しを嫌気する動きは限定的にとどまる。《XH》

関連記事