NYの視点:ECB、追加利下げも除外せず

2016年4月8日 14:09

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記事提供元:フィスコ


*14:11JST NYの視点:ECB、追加利下げも除外せず


 欧州中央銀行(ECB)は公表した3月の定例理事会議事要旨の中で、「急激な利下げ」を検討していたことが明らかになった。また、ドラギ総裁はECBの年次報告の中で、「過度の低インフレに当局が屈することはない」との方針を示した。低インフレへの対処で、ドラギ総裁に加えてコンスタンシオ副総裁も「物価安定のために必要なあらゆる措置をとる」と全ての手段を除外しない断固とした方針を示した。コンスタンシオ副総裁はまた、2次的な影響が見られることへの懸念を表明。スメッツ理事は「ECBは追加利下げ、非伝統的金融政策の拡大が可能だ」とした。

2月の生産者物価指数は31カ月連続のマイナス、金融危機時の2009年来で最低に落ち込むなどインフレ見通しの低下が追加緩和を正当化する可能性も指摘されている。市場では欧州中央銀行(ECB)には追加利下げ、または量的緩和(QE)拡大の余地があるとの見方が広がりユーロ売りが再燃。さらに、ECBが追加利下げを実行した場合、マイナス金利幅の拡大が欧州銀行の収益をさらに圧迫するとの懸念が金融市場を混乱させる可能性も警戒されている。

(4月8日(金) 午前7時作成)《NO》

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