Appleのスライドアンロックなどをめぐる米国での特許侵害訴訟、控訴審はSamsungが勝訴

2016年2月29日 12:07

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記事提供元:スラド

特許侵害をめぐりAppleとSamsungの間で争われている裁判で、米連邦巡回区控訴裁判所は26日、Appleの特許3件について1件をSamsungによる侵害なし、2件を無効とする判断を示した(裁判所文書: PDFArs Technicaの記事The Registerの記事FOSS Patentsの記事)。

この件は1月に連邦地裁でAppleがSamsung製品の販売差し止めを勝ち取った裁判で、Samsung側に合計約1億2千万ドルの支払いを命じる判決が2014年に出されている。昨年12月にSamsungがAppleに約5億4千8百万ドルの賠償金を支払い、その一部の取り消しを求めて連邦最高裁に上告している裁判とは別件だ。

控訴裁判所ではAppleの '647特許 (クイックリンク)についてSamsungは侵害していないと判断。'721特許 (スライドアンロック)と ’172特許 (オートコレクト)については、先行例から自明であるとして無効と判断した。この他、Appleの特許2件については、Samsungによる侵害なしとした一審の判断を支持している。

一方、この裁判ではSamsungの ’449特許 (デジタル写真および動画を圧縮・伸長・整理するためのカメラシステム)および ’239特許 (動画の圧縮および転送するためのシステム)をAppleが侵害したとして、Samsung側が反訴している。一審では’449特許についてAppleによる侵害を認め、158,400ドルの支払いをAppleに命じ、’239特許については、Appleによる侵害はなかったとの判断を示した。控訴裁判所ではこれら2件の特許について一審の判決を支持。結果として158,400ドルをAppleがSamsungに支払う必要がある。 スラドのコメントを読む | アップルセクション | パテント | 法廷 | 携帯電話 | アップル | Android | アメリカ合衆国 | iPhone

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