NASAの火星探査計画は現実味が足りない?

2016年2月9日 15:06

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 現在火星に取り残された宇宙飛行士のサバイバルを描く映画「オデッセイ」が日本でも上映されているが、NASAの火星有人探査計画について、米議会で「現実味が足りない」と批判されているそうだ(blastingnewsSlashdot)。

 火星有人探査計画は2010年にオバマ大統領がぶち上げたものだが、そこから6年が経過した今年の議会への説明では、証言者の3人のうち2人が現実味が足りないと発言している。彼らは月への探査が現実的であり、水の補給などに必要な月への足かがりを構築しておくことが、長期的に見て火星探査に有益だとしている。

 NASAのゴダード宇宙飛行センターの元ディレクターTom Young氏によると、有人火星探査計画では深宇宙探査船であるOrionとそれを打ち上げるスペース・ローンチ・システム以外の進捗がなく、全体的な実像がまとまっていないと指摘している。また、放射線への長期暴露に対処する方法も考える必要があるとしている。

 現在アメリカでは大統領選挙が行われているが、政権が変わっても計画が維持されるのかも問題視されているようだ。オバマ政権ではブッシュ政権時代の月探査計画を白紙に戻されたことがあるためだ。

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