フェアユース保護に取り組むYouTube、クリエイターへの法的サポートも行うと発表

2015年11月23日 19:47

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記事提供元:スラド

YouTubeは19日、明らかなフェアユースと思われる動画を米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく削除要請から保護し、動画のクリエイターへの法的サポートを行うことを明らかにした(Google Public Policy Blogの記事Ars Technicaの記事TorrentFreakの記事The Guardianの記事)。

DMCAに基づく削除要請の中には、要請者が著作権を主張する著作物とはまったく無関係なものや、米国ではフェアユースとして保護される範囲で著作物を使用しているものも多い。

クリエイターは異議申し立てをし、削除された動画の復元をリクエストすることも可能だが、訴訟に至ることもある。そのため、YouTubeが明らかにフェアユースであると認識する動画について、訴訟費用の保証も含めたクリエイターへの法的サポートを行っていくことを決めたという。

YouTubeではフェアユースとみられる動画に対してDMCA削除要請が行われた場合、クリエイターの同意に基づいて米国では動画を公開し続け、最高100万ドルまで訴訟費用を補償する。場合によっては法廷での弁護も行うとのこと。なお、YouTube Spotlightチャンネルでは再生リスト「Fair Use Protection」に4本の動画が登録されているが、日本ではいずれも再生できない。

YouTubeがすべてのクリエイターに対して法的な保護を行うことはできないが、不当なDMCA削除要請に対しては通常のプロセスで対処する。たとえ保護できる動画が少数であっても、YouTubeのエコシステム全体にとって良い影響を与えると考えているとのことだ。 スラドのコメントを読む | ITセクション | 法廷 | 著作権 | YouTube | IT | アメリカ合衆国

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