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北大ら、自動車排ガス浄化材料をナノレベルで観察
自動車の排ガスの浄化に関しSACLA が発生した XFEL を1発照射して得られたコヒーレント回折パターン(北海道大学などの発表資料より)[写真拡大]
北海道大学、トヨタ自動車、高輝度光科学研究センター(JASRI)、理化学研究所(理研)は10日、X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」を用いた自動車排ガス浄化用触媒材料を放射線損傷なくナノレベルで観察することに成功したと発表した。
研究グループによると、電子顕微鏡やX線顕微鏡では、電子線やX線といった観察に用いる放射線の照射によって試料が壊れてしまうことがあり問題となってきた。XFELの発光時間は10フェムト秒以下と、放射線損傷が起こる時間スケールよりも短いため、放射線損傷を受ける前の一瞬の姿を捉えることができる。研究グループはこの特徴を活かして、コヒーレント回折イメージングという手法により、自動車排ガス浄化用触媒材料を放射線損傷なくナノレベルで観察することに成功した。
今後は、触媒や電池材料など産業応用上重要な物質の実使用環境やプロセス過程でのナノレベル解析において、この新規技術が威力を発揮すると期待されるとしている。
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