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(中国)課題残る株式市場への介入
*09:01JST (中国)課題残る株式市場への介入
中国当局による株式市場への介入をいかに退出させるかが現在、大きな課題になっ
ている。
マーケットが落ち着きを取り戻しつつあるなか、20日朝に「1兆人民元を超えた株
式市場支援資金の退出案を検討中」とする本土メディアの報道が伝えられた。これを
受け、上海総合指数は一時3926ポイントまで下げる場面があった。
しかし、当局は昼に同観測を否定。中国証券監督管理委員会の張曉軍・報道官が
「内容は事実でない」と明言するとともに、「引き続き市場、投資家心理の安定、シ
ステミックリスク発生の防止に努める」との方針を表明。これを受け、一時下げてい
た上海総合指数は持ち直した。
当局の株価安定策をめぐる報道に左右される状況が続く本土マーケットだが、課
題は今後、買い支えた株式をどうするのか。なかでも、今回、マーケットの買い支え
の中心となった中国証券金融公司が買い支えた株式の行方が注目されている。
本土メディアによると、証券金融公司の資金は、(1)(買い支えを担った)21社
の証券会社に6月末時点の純資産の15%出資分(計1280億人民元)、(2)銀行システ
ムから得た資金分——の2つに分かれる。うち、証券会社を通じて買い支えた分に関
しては、◆出資比率に応じて各証券会社に按分、◆株式は証券金融公司に保留してお
き、今後の信用売り向けの貸し株に充当、◆株式をETFに組成して証券会社に出資比
率に応じて按分——といった案が出ている模様だ。
当局による株式市場介入の退出では、香港金融管理局がアジア金融危機の1998年
に買い支えた株式でETFを組成。盈富基金(2800/HK)として上場させた事例が有名だ。
ただし、買い支えの主体が金融管理局だけだった香港と異なり、本土マーケットの介
入は、証券金融公司、証券会社、保険会社、全国社会保障基金、匯金公司など複数の
機関が絡んでいるだけに、「退出はアジア金融危機の際の香港に比べて複雑」と懸念
されている。
<乱高下の教訓は?>
中国証券監督国際委員会の梁定邦・委員は21日付香港経済日報のインタビュー記
事で、本土マーケットが乱高下した今回の局面を分析し、(1)当局が非正規の信用
取引業務を放置していたこと、(2)国民が政府のマーケット支援に過度に依頼しす
ぎたこと——の二つが大きな教訓になったとの認識を示した。
1990年代に香港証券監督当局の主席を経験した梁氏は、前述の(1)について、
「政府は正規の信用取引以外の株式投資向け資金貸し出し業務を過小評価していた」
と指摘。その結果、レバレッジを利用した取引の規模が大幅に膨れ上がり、その巻き
戻しが急落を招いたとし、こうした非正規の信用取引業務も当局の監督・管理の対象
になるよう早期に対策を講じるべきとの見解を示した。
また、個人投資家の政府のマーケット支援を過度に依存しすぎている状況も変
わっていないと指摘。冷静な判断ができる投資家教育の必要性も訴えた。
【亜州IR】《ZN》
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