関連記事
16年にも「値幅制限」導入、業界内で支持多数=香港証取
*11:29JST 16年にも「値幅制限」導入、業界内で支持多数=香港証取
香港交易所(香港証券取引所:388/HK)の李小加・最高経営責任者(CEO)は11日、現在導入を検討している値幅制限措置について、今月中に意見募集の結果を公表する方針を示した。4月上旬に意見募集を終えている。業界関係者の間では、支持の声が多く聞かれた。実施が決まった場合は、早ければ来年にも導入されるという。明報が12日伝えた。
香港証取は今年1月、「ボラティリティ・コントロール・メカニズム(VCM)」と呼ぶ値幅制限措置の導入を検討していると表明している。株価指数の急激な変動を避ける狙い。また、09年に廃止した「クロージングオークション・セッション」についても、再導入の検討に入った。
香港証取の説明によると、VCMとは、プレオープニング・セッションを除く通常取引の時間中、5分間で株価が上下10%以上変動した場合、5分間の取引制限期間(=「クーリングオフ・ピリオド」)を設けるという制度。ハンセン指数とH株指数の構成銘柄を対象とする。指数先物などのデリバティブ商品については、5%以上の変動で適用する方針だ。
香港マーケットでは現在、値幅制限やサーキットブレーカー制度が設けられていない。そのため、株価が乱高下しやすい傾向がある。香港証取はVCM導入計画を発表した際、2010年5月6日に米国の株式市場で発生した「フラッシュ・クラッシュ(瞬間暴落)」に言及し、各国で株価変動リスクを防ぐ仕組みが検討されていると説明していた。
もっとも、VCMには改善の余地が大きいと指摘する専門家も多い。投機筋が好む中小型株ではなく、ハンセン銘柄など大型株のみを対象としていることから、市場全体で見た場合の効果は限定的との見方だ。また、5分間の「クーリングオフ・ピリオド」についても、この間に投資家ができることは限られ、かえって不安をあおる結果になりかねないと指摘する向きもある。
【亜州IR】《ZN》
スポンサードリンク