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アルマ望遠鏡、重力レンズによってリング状に見える銀河を観測

アルマ望遠鏡(オレンジ)とハッブル宇宙望遠鏡(青)で観測したSDP.81。アルマ望遠鏡では重力レンズ効果により引き伸ばされたSDP.81の姿が、完全な円形に見えている。ハッブル宇宙望遠鏡では重力レンズの原因となっている手前の銀河が見えている。また、アルマ望遠鏡の解像度がハッブル宇宙望遠鏡を上回っていることもわかる。Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO); B. Saxton NRAO/AUI/NSF; NASA/ESA Hubble Space Telescope [写真拡大]
アルマ望遠鏡を使った観測で、117億光年かなたの銀河「SDP.81」を解像度0.023秒角で鮮明に写し出すことに成功した。
銀河SDP.81は、ハーシェル赤外線宇宙望遠鏡で発見された銀河で、私たちが住む「天の川銀河」の約500倍のペースで星を生み出す「爆発的星形成銀河」の一つであることが分かっている。地球からの距離は117億光年で、その間にある別の銀河の巨大な重力によって、SDP.81から来る光は歪められ、「アインシュタインリング」と呼ばれる状態で観測される。
今回の研究では、アルマ望遠鏡を使い、SDP.81を波長2mm、1.3mm、1.0mmの3波長帯において、塵と一酸化炭素、水分子が放つ電波を観測することに成功した。最も波長の短い1.0mmの観測での解像度は0.023秒角に達し、今回の観測で、重力レンズによって引き伸ばされたSDP.81の像がほぼ完全な円を描いていることが明らかになった。
国立天文台チリ観測所の伊王野大介准教授は、「アインシュタインリングの細部をここまではっきりと示している前例はありません。この画像から、手前の銀河の質量分布の詳細が分かるとともに、初期宇宙における星形成と分子ガスの関係を探ることができます。銀河の誕生という大きな謎の解明に向けて、また一歩前進すると期待されます」とコメントしている。
なお、この内容は「The Astrophysical Journal」に掲載される。
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