妊娠中の正社員、4人に1人が「9時間以上」働く 早産・流産リスクも

2015年3月1日 23:45

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記事提供元:エコノミックニュース

 働きながら妊娠した経験がある20歳~49歳の女性のうち、1日「9時間以上」働いていた人は正社員では26.2%と、4人に1人以上にのぼることが分かった。長時間労働の人ほど、早産・流産してしまった人の割合が高く、女性が安心して働ける環境の整備が課題となっている。

 調査は、連合が2015年1月26日~2月2日、ネットエイジアの協力を得てウェブアンケートで実施。働きながら妊娠をした経験がある全国20歳~49歳の女性、1000人から回答を得た。

 全回答者に、1日の労働時間はどのくらいの場合が多かったか聞いたところ、法定時間の「約8時間」が43.7%で最多となったものの、「9時間以上」も16.6%と6人に1人いた。正社員・正職員では「9時間以上」が26.2%と、4人に1人だ。

 早産・流産になってしまった人では、出産まで問題なく順調だった人と比べ、労働時間が「9時間以上」の割合が高かった。出産まで問題なく順調だった人の13.3%に対し、早産になった人では24.6%、流産してしまった人では20%が「9時間以上」働いていた。

 妊娠時のトラブル別にみると、早産になった人では「重い物を持ち上げる仕事が多かった」が22.6%(出産まで問題なく順調だった人では12.2%)、流産してしまった人では「立ったまま仕事をすることが多かった」が45.3%(出産まで問題なく順調だった人では35.3%)と、出産まで順調だった人よりも10ポイント以上高い。また、「ノルマや締め切りがあるなどストレスの強い仕事があった」は、早産になった人で17%、流産してしまった人では16.4%で、出産まで問題なく順調だった人(7%)と比べ、早産になった人では10ポイント、流産してしまった人では9.4ポイントも高い。肉体的・精神的に負担がかかる仕事をしていた女性ほど、出産リスクが高まる可能性も考えられる。

 雇用主は、妊娠中の女性従業員が求めた場合「業務の軽減」や「勤務時間の変更」、病院に行く時間を取れるようにするなどの配慮をしなければならないと、法律で定められている。ただ、妊娠時にそうした配慮を受けられたか聞いたところ、「十分に受けられた」45.2%、「受けられたが、十分ではなかった」28.9%、「出血や切迫早産などで医師の指導があるまでは受けられなかった」6.6%、「一切受けられなかった」も19.3%おり、仕事上の配慮を十分に受けられた人は半数以下にとどまった。就業形態別にみると、「十分に受けられた」人の割合は、正社員では39.6%で、契約社員・派遣社員の51.5%や、パート・アルバイトの50.3%に比べると低かった。女性の活躍推進にとって重要な、「妊娠中も安心して働ける環境の整備」が進んでいるとは言い難い状況が浮き彫りとなっている。(編集担当:北条かや)

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