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東大、モササウルス類とトカゲ類の眼に関する類似点を発見
モササウルス類の全身骨格図と頭部、眼の部分(写真とスケッチ)の拡大図。全身骨格図はLindgren et al. (2010)を引用。眼があった場所には、鞏膜輪が化石化して残っている(東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学の山下桃大学院生らによる研究グループは、モササウルス類の化石化した眼の輪っか状の組織、鞏膜輪(きょうまくりん)をトカゲ類と比較したところ、鞏膜輪の骨片の並び方が共通している一方で、骨面のざらつき加減が異なることを発見した。
モササウルス類は、約9800万年前~6600万年前に生息していたトカゲ類の仲間で、完全に水中での生活に適応していたと考えられている。しかし、現在生きているトカゲ類において、水中で生活する種はいないため、モササウルス類がどのような生物であったかを理解するのは困難であった。
今回の研究では、4属のモササウルス類の化石化した眼の輪っか状の組織「鞏膜輪」を観察し、現生のトカゲ類と比較した。その結果、4属のモササウルス類のうちTylosaurusとPlatecarpusにおいて、鞏膜骨の並び方が一致していることが分かった。さらに、Platecarpusの鞏膜輪の内側面を観察したところ、トカゲ類では見られない環状の粗面部分が輪の中間部分で発見された。
今後は、さらに多くのトカゲ類と比較することにより、モササウルス類を含むトカゲ類の視覚機能の理解がさらに進むと期待されている。
なお、この内容は「PLOS ONE」に掲載された。
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