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東北大がパーキンソン病の悪化の要因を発見 予後予測や認知機能障害対策に期待かかる
パーキンソン病は運動機能の悪化を主症状とする疾患である。具体的には動作緩慢や手足の震えなどが起こる。米国のハリウッドスターのマイケル・J・フォックス氏の闘病が有名だ。フォックス氏は克服したようだが、恐ろしいことに長期の経過中に約 8 割の患者が認知症になるという。しかし、現時点では病初期の段階で後の認知症の発症を予測することはできない。
東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学分野の森悦朗教授、東北大学病院高次機能障害科の西尾慶之講師、馬場徹助教、県南中核病院研修医の庄司 裕美子医師のグループは、パーキンソン病における認知・運動障害の悪化に関連する因子(予後予測因子)の発見に成功したと発表した。
森教授らは、まず患者を(1) 初年度に認知障害がなく、3 年後にも認知障害のないグループ、(2) 初年度に認知障害がなく、3 年後に記憶障害だけをきたしたグループ、(3) 初年度に認知障害がなく、3 年後に記憶およびその他の認知障害をきたしたグループ、(4) 初年度に記憶障害のみを認めたグループの 5 つのグループに分け、運動機能、認知機能、FDG-PET で測定した局所ブドウ糖脳代謝測定結果の比較検討を行った。
その結果、初年度に認知障害を認めなかったグループのうち、(1)と(2)のグループの臨床症状、脳代謝パターンは類似していたという。一方で、グループ(3)は(1)、(2)のグループに比べて初回検査時の側頭・頭頂葉の代謝が強く低下していた。また、グループ(3)は初回評価時に視知覚障害が認められ、その後3年間の認知機能および運動機能の悪化が重度だった。初年度に認知障害を認めた(4)と(5)のグループの比較においても同様の差が認められた。つまり、グループ(5)はグループ(4)に比して側頭・頭頂・後頭葉の代謝の低下が強く、3 年間の症状悪化も重度だった。
これらのことから、記憶および視知覚に障害を認めるパーキンソン病患者は、認知機能はもちろん運動障害も急速に進行する可能性が示唆されたとしている。このことから、記憶および視知覚に障害を認めるパーキンソン病患者においては、通常考えられていたよりも早い段階で大脳新皮質(側頭・頭頂・後頭葉)に神経変性が起こり、これが病状を急速に悪化させる要因になっている可能性を示すものだと考えられると結論した。パーキンソン病の予後予測や認知機能障害に対する早期介入に繋がることが期待されるとした。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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