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東大、超巨大ブラックホールが放つ高エネルギーガンマ線を観測
MAGIC チェレンコフ望遠鏡により観測された電波銀河IC310。左挿入図は、ブラックホールから噴出するジェット根元部分の電波望遠鏡による観測(The MAGIC Collaboration)[写真拡大]
東京大学の手嶋政廣教授らによる研究グループは、MAGICチェレンコフ望遠鏡を用いて、ペルセウス銀河団にある電波銀河「IC310」の中心にある超巨大ブラックホールで発生した、超高エネルギーガンマ線の爆発現象を観測することに成功した。
全ての銀河の中心部には、太陽の100万倍から10億倍の質量を持つ超巨大ブラックホールがあると考えられており、地球から2.6億光年離れた「ペルセウス銀河団」に属する電波銀河「IC310」ではブラックホール周辺から光速に近いプラズマ流である「ジェット」を噴き出している。
今回の研究では、17m口径チェレンコフ望遠鏡2台で構成されるMAGICを用いて、IC310から非常に強烈なガンマ線放射を観測した。IC310の中心にあるブラックホールの大きさは太陽と地球との距離の数倍程度であり、光が通過するのに約20分かかる大きさに相当すると考えられていたが、本研究では5分間という短時間で強く変動する放射が観測され、中心のブラックホールは高速で回転しており、星間物質が中心に降り注いで形成されたことを示唆している。
今後は、謎の多いブラックホール、またその周辺の極限的物理状態の研究をさらに進展させていくと期待されている。
なお、この内容は11月6日に「Science Express」に掲載された。
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