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医療費総額40兆円に迫る 生活習慣病予防で厚労省が塩分摂取引き下げへ
8月末に厚生労働省が発表した2013年度医療費の動向によれば、13年度の医療費は39.3兆円。前年度から0.8兆円増加し、今にも40兆円に迫る勢いだ。急速な高齢化の進展とともに、医療費負担が大きく国民にのしかかっている。
この莫大な医療費の3割を占めているのが、高血圧や糖尿病、心臓病、脳卒中、高コレステロール血症などに代表される生活習慣病だ。生活習慣病は、その名の通り、長い間くり返される、日常生活の習慣がつみかさなって病気の発症へとつながっていく。
生活習慣病の予防には「運動」「食事」「喫煙」「アルコール」「睡眠」などの改善が重要だ。この中の「食事」について、厚労省は来年度から新たな食事摂取基準を導入。生活習慣病の重症化予防を加えるとともに、エネルギー消費の指標にBMIを採用するほか、塩分摂取などの目標値を充実させた。
特に、塩分摂取については、日本人は欧米諸国と比べて食事からとる塩分の量が高いことが指摘されている。平均的な日本人の1日当たり塩分摂取量は11~12グラムといわれており、いずれも10グラムを切っている欧米諸国と比較して高水準だ。塩分摂取は血圧の上昇や胃がん、心臓病などと強い因果関係が指摘されており、減塩への取り組みは必須である。
そこで新たな食事摂取基準では、1日当たりのナトリウム(食塩相当量)の摂取基準を、これまでの成人男性9.0グラムから8.0グラムへ、成人女性では7.5グラムから7.0グラムへ、それぞれ引き下げた。
このほか小児期からの生活習慣予防として、食物繊維とカリウムについて、新たに6~17歳における目標値も導入した。
減塩が体にいいことは、多くの人が知ってはいるものの、実行するのは簡単ではない。なぜなら、加工食品などにもとから入っている塩分は、家庭ではコントロールできないからだ。イギリスでは官民足並みそろえた取り組みで、国民の減塩に成功している。日本は世界一の長寿国だが、生活習慣病で不自由な老後は誰しも送りたくはない。食品企業による真摯な取り組みと、それを後押しする国民の姿勢が求められている。(編集担当:横井楓)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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