家守りから特殊洗浄まで 企業が取り組む防災サポート

2014年9月6日 18:59

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記事提供元:エコノミックニュース

 2014年の夏は日本全国が大雨に翻弄される夏になった。平年の3倍、多いところでは平年の5倍以上の雨を観測した地域もあり、とくに雨量の多かった西日本は広島の土砂災害をはじめ、甚大な被害を被る地域が相次いだ。2011年3月11日に発生し、日本を悲しみの渦に呑み込んだ東日本大震災以降、地震だけに限らず国民の防災意識は高まっているものの、自然の脅威はそれすらも凌駕してくる。それでも少しでも被害を減らそうと、政府だけでなく、多くの企業も防災や災害発生時のサポート体制を強化している。

 例えば、東京都石油業協同組合では、同組合に加入している全ガソリンスタンドを災害時のサポートステーションとして、災害発生時の緊急車両への燃料提供をはじめ、帰宅困難者への支援拠点にするなどの事業に取り組んでいる。

 また、東京海上日動火災保険グループのベルフォア・ジャパンでは、泥水や火災、煙などで製造業のサプライチェーンが寸断された場合、独自の洗浄技術を使ってそれを応急復旧する事業を開始している。通常、復旧まで3カ月や半年以上かかるようなケースでも、同社の特殊な洗浄技術とノウハウを持ってすれば1週間から10日で生産ラインを修復することも可能だという。

 身近なところでは、全国の地域工務店やビルダー320社が参加する日本最大の工務店ネットワーク・ジャーブネットを主催するアキュラホームも、災害サポートに力を入れている企業の一つだ。同社では、販売した住宅を将来に渡ってメンテナンスのサポートを行う「永代家守り」を事業の一つの軸に据えているが、具体的に災害発生時のサポートにはどのようなことを行うのだろうか。アキュラホームの担当者に聞いてみた。

 同社によると、地震などの大規模災害については顧客の意識も高いものの、先般の大雨被害のように、台風などの日常的な災害に対してはまだまだ防災意識の低いところがみられるという。そこで、強い台風の接近などが予想される対象エリアの入居者に対し、接近前に電話連絡を入れたり、台風が通過した後には、同社社員が対象エリアを巡回し、安全確認を行っているという。また、被害の状況によっては自宅を訪問し、修繕が必要な顧客に対しては保険等の手続きを含めたサポートも行っているという。

 災害を経験した入居者の定期点検時のアンケートでは、「安心した」「とても心強かった」「感謝している」等の回答が多く、入居者の安心に繋がっているようだ。また、建築中の現場に関しては必ず同社の社員が現場点検を行い、台風接近と現場対応状況について顧客に報告を行っているという。

 自然災害はある日、突然襲い掛かってくる。その被害の大きさを考えれば、備えをしてし過ぎることはない。これから秋に向けて台風の季節に入る。平穏な今だからこそ、政府や自治体、企業などがどんな災害サポートを行っているのかを知っておくことも、一つの防災といえるのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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