ヤマハ発動機、単軸ロボット「TRANSERVO」シリーズの新製品を発売

2014年6月21日 20:26

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 今年1月に「生産性向上設備投資促進税制」が施行されたことで、製造分野、とくに自動車や電子部品産業などの分野で生産設備を増強する企業が増えている。

この「生産性向上設備投資促進税制」は、条件を満たす「先端設備」及び「生産ラインオペレーションの改善に資する設備」を導入した場合、初年度即時償却又は5%税額控除などの優遇措置を受けられるというもの。景気の回復基調も追い風となって、活用する企業が増えているのだ。

 その様な背景の中、産業用設備機器の開発メーカーも新製品の開発に余念がない。

 ヤマハ発動機株式会社は5月29日、ステッピングモータを使用した単軸ロボット「TRANSERVO(トランサーボ)シリーズ」の新製品「SG07」と、TRANSERVO専用ロボットポジショナの「TS-SH」を開発し、販売を開始した。

「TRANSERVOシリーズ」はヤマハが独自に開発したベクトル制御方式のステッピングモータを採用した単軸ロボットで、ローコストでの自動化や、エアー機器から電動機器への置き換えによる省エネルギー化などを背景に、自動車や電気・電子業界などの生産設備において、コストパフォーマンスに優れた製品として高い評価を得ている。

 「TRANSERVOシリーズ」共通の特長としては「サーボとステッピングの利点を融合した新制御方式」であること、次に「耐環境性に優れたレゾルバ採用によるクローズドループ制御」、さらに「高分解能」を兼ね備えているところにある。小型精密機械部品の組立や検査、移載、搬送などの様々な工程に使用可能なほか、医薬品・食品分野のハンドリングや検査工程にも最適なものとして、利用価値も高い。

 今回発売された「SG07」は、56mmサイズの大型モータの採用とテーブルスライドの剛性向上により、可搬質量が従来品より大幅にアップしており、スライダタイプ最大の可搬質量46㎏を達成したほか、最高速度も最大30パーセントアップ、さらにはモータ駆動回路のハイパワー化によって大容量モータに対応するなど、従来品よりも性能と使い勝手が大幅に向上している。

 しかも、従来の「TRANSERVOシリーズ」では対応していなかったアブソリュート仕様にも今回初めて対応、電源投入後の装置の起動時間を短縮化させた。重量物搬送やアブソリュート仕様が求められる場面でもTRANSERVOシリーズを選択できるようになったことにより、生産設備の更なるコストパフォーマンスに貢献するという。

 このような産業設備機器は、普段は我々一般の目に触れることは、ほとんどない。しかしながら、ここに使われている見えない技術こそが、日本の技術の最先端であり、信頼であり、日本の屋台骨といえるのではないだろうか。設備投資が活発に行われ、生産力が飛躍的に向上することで、日本経済の回復に拍車を掛けてくれることを期待したい。(編集担当:藤原伊織)

■関連記事
ロボット市場を20年までに3倍規模に 総理
活気づくロボット掃除機市場 一家に一台は当たり前の時代へ
感情がわかるロボットが登場 ヒューマノイドロボットと暮らす日
トヨタ自動車がリハビリ用ロボットの臨床研究モデルを開発 今秋より医療機関へ導入
ロボットとともに生きる 日立が人間共生ロボットの対話技術を開発

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事