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“手探り”原発規制が原因? 再稼働に向け、電力会社やメーカー社員が疲弊
9日の東京都知事選で、原発再稼働寄りとされる舛添要一氏が当選した。ドイツの放送機関ドイッチュ・ヴェレは、政府がこれを再稼働への反対が弱まったサインと解釈しており、再稼働への取り組みを強化すると示唆する。
【汚染水問題はどうしたのか】
国内原発総停止によって化石燃料の輸入コストが過去最大レベルに増大、夏場の電力需給にも不安があるため、政府は再稼働を望んでいる。
ドイッチュ・ヴェレは、福島でも放射線による死亡例はなく、原子力を過度に恐れるより、資源小国としてはその恩恵を受け入れるべきだとの科学者の意見も伝える。一方で環境保護活動家は、福島の汚染水問題も解決できないのに規制当局は再稼働のことばかり考えている、当初の意気込みと違って政治的圧力に屈したのではないか、などと不信を表明している。
【険しい再稼働への道】
ニューヨーク・タイムズ紙は、その再稼働に向けて規制当局や地元の説得に躍起になる、電力会社や三菱重工(原発施設を建設する)の努力を伝えた。ただ、どちらかといえば記事は、努力の姿というよりも現場の悲哀に満ちている。
電力会社は安全基準を満たしていることを説明する何千ページもの資料を提出せねばならず、さらに規制当局の方に既存の規制ノウハウがなく手探りの状態であるため、求められる資料内容が二転三転する。実際には各社とも技術面で三菱重工に依存しているため、三菱重工側の窓口もパンク状態となる。九州電力など地方電力会社社員は先方と連絡の付き易い東京のホテルに缶詰となり、朝8時から夜11時まで働くが、洗濯代も出なければ洗濯の時間もなく、コンビニで買い込んだ下着や靴下が山積みになっている状態らしい。
このため、再稼働の流れになったとしても、実現にはまだまだ遠い見通しのようだ。
【海外の福島ドキュメンタリー本】
インターナショナル・ビジネス・タイムズ紙は、福島事故についてのドキュメンタリー本「フクシマ:原子力災害の物語(デビッド・ロッホバウム他著)」を紹介した。地震を受けて緊急停止プロセスは正常に開始されていたが予想を超える津波が致命傷となったこと、担当省庁が幾つもあり監督体制に問題があったこと、避難者に膨大な補償金申請書類を書かせたり無理のある責任逃れを言い続けた東電など、著者らは様々な問題を指摘しているが、事故はたまたま日本で起こっただけのことであり、同様の問題は「原子炉燃えるところどこにでも存在する」と主張する。
また使用済み燃料棒の先進的な乾式保存を採用していたことが有利に働いた点など、福島には失敗だけではなく、成功の教訓もあると述べている。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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