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新興国のファンダメンタルズは悪くない
*07:44JST 新興国のファンダメンタルズは悪くない
米国の量的緩和策の縮小にともなって、「新興国から資金が引き上げられるのではないか」という懸念がさらなる懸念を呼んで、新興国の株価や通貨が暴落している(新興国ではない日本の株価も年末の高値から、日経平均でみると1500円近く暴落した)。
アルゼンチンの通貨ペソの暴落が引き金になったが、背景には中国経済の減速懸念もある。新興国通貨のうち、このような影響を受けやすい不安定な通貨として、ブラジルレアル、インドルピー、インドネシアルピア、トルコリラ、南アフリカランドの5通貨を挙げ、「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5通貨)」と名付ける向きも出てきた。 経常収支の赤字・高インフレ・対外債務の大きさから脆弱な経済構造をしていると指摘されている。 しかし、これらの新興国のファンダメンタルズは決して大騒ぎするほど悪くはない。外貨準備としてドルも大量に保有しており、外貨準備高だけでも対外債務の大部分をまかなえる。通貨が切り下がることによって輸出が回復するという効果もある。欧州危機の際のギリシャなどとは大きく様相が異なるのである。 懸念されている中国経済の減速にしても、中国の2013年のGDP(国内総生産)は約980兆円に達し、ついこの間日本に並んだと思ったらすでに日本の約2倍にも到達しており、そもそもこのまま7~8%の成長が永遠に続くとは到底思えない。日本の2個分の経済規模となった中国経済が多少減速したとしても、それが直ちに新興国経済の減速につながることはないだろう。 今回の新興国通貨の騒動は、この機に乗じて利益を上げようとする勢力による「為にする議論」によって必要以上に煽られている。ともあれ、リーマン・ショック後の世界経済は新興国に下支えられて先進国も回復してきたという流れだったが、立場が変わって、今度は米国や日本が世界経済の回復を引っ張り、新興国が復調するという流れになるのではないだろうか。米国が新興国の混乱を横目に粛々と量的緩和の縮小を続けているのも、量的緩和縮小に伴う新興国の多少の混乱は一時的なものとみて、米国経済の先行きに自信を持っている証拠そのものであり、同様のシナリオを想定していると思われる。《YU》
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