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2013年の世界販売は昨年に続き世界一 トヨタの2014年販売はどうなる
日本市場でトヨタ車を牽引するハイブリッド車(HV)「アクア」。新興国市場に対応するには、HVの現地生産も必須となるだろう。[写真拡大]
トヨタは2013年4月1日から「事業ユニット」と呼ぶ組織を新たに設けた。開発、調達、生産など機能別に分かれていた体制を、高級車「レクサス」、先進国地域、新興国地域、部品の4つのユニットに再編した。各ユニットはそれぞれに収益に対する責任を負う。
レクサスは社長直轄、その他の3つのユニットは副社長がトップを務め、それぞれが“会社組織”として運営する。6月14日に開かれた株主総会で役員人事が承認され、豊田章男社長と6人の副社長が各ユニットを率いるという新体制が正式に発足した。
当時、これは「トヨタ自動車における“工販合併”以来の改革」だと、社内外から声が上がった。工販合併とは、1982年の豊田章男社長の実父である豊田章一郎氏(当時会長)が指揮を執った「トヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売の経営統合」である。戦後に分離した製販を統合し、製造・販売が一体で顧客ニーズに合ったクルマ作りが狙いだった。
前述した昨年の大改革「事業ユニット」の狙いは、新興国市場対策にある。トヨタの2012年の世界販売台数は、ダイハツ工業と日野自動車を含めて975万台。世界一に返り咲いた。2013年の世界販売台数目標を前年比2%増の995万台として、2年連続の世界首位を目指した。
結果、2014年1月29日にトヨタが発表した2013年におけるトヨタ・グループの世界自動車販売台数が2年連続で世界ナンバーワンとなった。米ゼネラル・モーターズ(GM)が1月14日、同年の販売台数が前年比4%増の971万台となったと発表。トヨタは昨年8月の段階で996万台と予想しており、GMや独フォルクスワーゲン(VW)を上回る見通しだったが、1月29日付けの確報で、グローバル販売台数が998万台で、前年比102.4%を達成したと発表となった。
しかしながら、トヨタ・グローバル販売台数の約60%は、未だに先進国向けだ。新興国市場への対応でトヨタはVWやGMに後れを取っている。残念ながら、成長著しい中国、ブラジル市場ではトヨタのシェアは10%に満たない。この新興国マーケットにおけるテコ入れが、短期中期のトヨタの大命題である。この大命題に挑むのが、新興国マーケットに軸足を置く「トヨタ新興国担当ユニット」である。
昨年の販売台数確報の前、1月23日、トヨタは「2014年グループ販売台数計画」で、世界初の1千万台超えに挑むことを発表。大手メディアでもトップニュースとして扱われた。しかし、シェアアップを見込む北米市場では、GMなど米自動車会社の復活もあり競争は厳しい。中国でも現地化による低価格競争が繰り広げられている。新興国ではVWとの真っ向勝負も本格化する見込み。逆に昨年、VWは日本で史上最高の販売を記録した。トヨタは「グローバル市場で楽観できる状況ではない」が「1032万台を目指す」という。(編集担当:吉田恒)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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