【アナリスト水田雅展の銘柄分析】翻訳センターは調整一巡、中期成長力を評価して反発のタイミング

2013年12月20日 09:30

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

  国内最大規模の翻訳会社である翻訳センター <2483> (JQS)の株価は急騰の反動で日柄整理局面だが、調整一巡感も強めている。中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。

  特許・医薬・工業(IT関連)・法務・金融分野を中心として、企業向けなどに翻訳サービスを展開している。企業の知的財産権関連、新薬開発関連、新製品開発関連、海外展開関連、ディスクロージャー関連など翻訳サービス需要は拡大基調であり、M&Aも積極活用して業容を拡大している。

  12年8月には通訳・翻訳・国際会議運営のアイ・エス・エス(ISS)を子会社化した。ISSは国際会議運営の実績が豊富であり、直近では11月に開催された「第13回日中韓特許庁長官会合」の全体運営も担当している。通訳の分野も20年東京夏季五輪開催で活躍の場が一段と広がるだろう。13年6月には、アイタスからIT関連のローカライゼーション/マニュアル翻訳事業の一部を譲り受けた。

  今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比21.0%増の88億円、営業利益が同11.1%増の4億70百万円、経常利益が同11.1%増の4億70百万円、純利益が同9.0%増の2億40百万円としている。主力の翻訳事業は医薬分野や金融分野の好調などで増収基調であり、ISSグループの通期連結も寄与して、東京本部移転増床費用や人材採用などの先行投資負担を吸収する。

  株価の動きを見ると、急騰して付けた9月17日の年初来高値7800円から反落して日柄整理局面が続いている。12月8日と12月9日には4895円まで戻す場面があったが、足元は再び4000円台前半に水準を切り下げている。ただし11月12日の直近安値3705円まで下押す動きは見られず、調整が一巡した可能性もあるだろう。

  12月19日の終値4250円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS142円40銭で算出)は30倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1459円64銭で算出)は2.9倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きであり、サポートラインとして機能しそうだ。中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【株価診断】FPGはトリプル底形成し本格出直りのタイミング、『オペレーティングリース』軸にワンストップ型総合金融会社として高い成長期待(2013/11/18)
【小倉正男の経済羅針盤】みんなの党を普通の会社として見れば・・・(2013/12/18)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事