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「評価制度」の留意事項について、最後のまとめです。
■結果主義に偏ることの弊害
「途中経過はどうであっても、とにかく結果が大事である」というのが結果主義です。確かにビジネスの世界では最後は結果次第、結果が出なければ会社はつぶれてしまいますから、結果にこだわるのは当然です。そんなところから、結果主義は公正で客観性がある評価と捉える向きもあります。
プロスポーツの世界などは、こんな結果主義の典型であることが多く、どんなに一生懸命練習をしても、どんなに努力をしていても、目に見える形で結果が出たり、成績が上がったりしなければ評価されません。
逆に、練習をサボっていても、結果さえ出れば誰も文句はいわないでしょう。「結果が出ないが、よく練習しているからすばらしい」とは誰も言わないし、「ろくに練習しないが、結果が出ているから良いだろう」ということになります。
これが一般的な会社の中の仕事ではどうでしょうか。
例えば営業職は、結果主義を求められがちな職種ですが、前述の通りならば、勤怠が悪かろうが、途中でサボろうが、とにかく数字さえあげていれば評価されるということになります。結果が出ていれば、誰も文句はいえないでしょう。
逆に、いくら毎日真面目に働いても、数字が出なければ、その真面目な働きぶりは一切評価の対象になりません。どんなプロセスで得た結果なのかは問われません。
毎日毎日一生懸命顧客先を回った末の結果でも、偶然とった電話で何も労せずに得た契約による結果でも、数字が同じであれば評価も同じです。
相手に態度次第で、協力したいと思うか思わないかというチームワークの問題も出てきます。
一見合理的に思える結果主義ですが、このように不条理な部分も多く、ここに偏りすぎることは弊害が大きいといえるでしょう。
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