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■「正しい結果主義」が会社を伸ばす
私が現場を見ている中で、業績が上がっている会社とそうでない会社を、評価制度の面で比べてみると、ある一定の傾向があります。
一つは、途中経過も結果の一部として見る「正しい結果主義」を取っているということです。プロセスも評価に組み入れているという言い方もできます。
評価制度には、「過去を振り返りながら、これから先のより良い取り組みを考えることで、モチベーションを高めて会社の業績向上につなげる」という役割があります。
もうお分かりでしょうが、従来の結果主義では、前段の「過去を振り返り・・・」ということに終始してしまい、後段の「これから先に・・・」という部分が無いか、もしくは著しく欠如してしまっています。
結果が出ているということは、その人の成功体験にはなりますが、その結果を得たプロセスが、あまり労せずに偶然得たもので、その途中経過に対する評価も指導もないままだとしたら、その人はこれから先も偶然ばかりを追いかけるようになってしまうでしょう。これでは業績向上にはつながりません。
こういうお話をすると、「それはその通り!」とおっしゃる方はたくさんいますが、「正しい結果主義」を会社全体で実行できているところはそれほど多くはありません。
普通、評価制度の運用といえば、年に数回のイベントとして、評価表に点数を書いて提出するものという感覚ではないかと思いますが、これではどうしても「評価表を書いて出す」という、まさに過去の振り返りが中心になり、評価者はある時点での目に見える結果だけに注目しがちになります。俗にいう従来の結果主義と実質は同じ進め方です。
これに対して「正しい結果主義」では、常に継続した観察のもとに積み上げた結果と、日常のやり取りで見えているものを元に評価をしますので、評価者による観察の頻度と評価する側とされる側のコミュニケーションの頻度が大きく違います。評価と人材育成とその他マネジメントが、日常業務の中で一体化して回っている感じです。
こういう形にしていくには、制度自体の工夫、マネジメント手法の改善、評価者やその他社員の意識改革など、いろいろな取り組みを継続していくこと、息の長い取り組みが必要です。
短期的にはともかく、長い眼で見た時、やはり良いプロセスが良い結果に結びつく機会は多いはずです。結果とプロセスには一定の相関関係があると思います。
「良い結果を得るために、その結果を出すためのプロセスを大切にする」という正しい結果主義を念頭に、制度と運用を考えていただくと良いと思います。
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