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■個人よりチーム重視
もう一つ、業績が上がっている会社の評価制度の傾向としていえるのは、個人評価よりチーム評価を重視しているというところです。定量的な目標はチーム単位にとどめ、個人はチーム目標を達成するための取り組みや役割が問われます。個人の手柄にこだわり過ぎることは合理的でないと考え、個人へのインセンティブをあまり強調しない仕組みを取っています。
もちろん突出した個人が活躍することもあるでしょうし、個人の結果の積み上げこそが会社全体の業績という面はありますが、会社、部門といった何人もの人が関わるチームで動く中では、それぞれの役割は異なりますし、複数の人が関わる事によるお互いの補完関係やシナジー効果があります。単純に1+1=2ではなく、個人単位までの明確な切り分けは難しいものです。
これは、結果主義と言われるスポーツの世界であっても同じで、ホームラン王と首位打者のどちらがどの程度優れているとは誰も答えられないでしょうし、サッカーのような競技であれば、流動的な動きの中でなおさら数字に表れない要素が多く、誰がどれだけ貢献したかを一概に定量的に表現することは難しいでしょう。
ある観点や基準で割り切って評価を決めることはできるでしょうが、誰もが同じように納得できるわけではなく、やはり不条理な部分、感情のしこりが残ります。
個人評価とチーム評価のバランスが、評価制度の重要なポイントであること、業態による差はあっても、どちらかといえばチーム評価を重視する方が全体の業績につながっていることを意識した上で、制度設計に取り組んでいただくと良いと思います。
次回は、給与制度についての解説を進めていこうと思います。
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