宇部興産や三菱商事、マレーシアに合成ゴムの製造・販売合弁会社を設立

2013年3月13日 18:03

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 宇部興産は13日、アジア地区でのポリブタジエンゴム(BR)の需要拡大に対応するため、ロッテケミカル(韓国)、ロッテケミカルタイタンホールディング(マレーシア)および三菱商事と、マレーシアのジョホール州にBR製造・販売の合弁会社を設立したと発表した。出資比率は宇部興産40%、ロッテケミカル40%、タイタンケミカル10%、三菱商事10%。

 同合弁会社は、宇部興産の製造技術ライセンスにより5万トン/年のBR製造設備を建設し、ロッテケミカルグループのタイタンケミカルから原料ブタジエンの供給を受け、2014年に稼動開始する予定。また、需要動向を見ながら更に2.2万トン/年の能力増強を計画している。

 BRは、タイヤ、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)及び靴底向けが主な用途で、最大市場のアジアを中心に今後6~7%の需要の伸びが見込まれており、特にタイヤについては、大手タイヤメーカーを中心に多くの需要家がアジア地区で能力拡大を進めている。

 宇部興産は現在BRを世界3拠点で生産しており、グループの生産能力は千葉(11万トン/年)、タイ(7.2万トン/年)、中国(7.2万トン/年)の合計25.4万トン/年で、2013年末には千葉で1.6万トンの能力増強を予定している。一方、ロッテケミカルグループはブタジエンを世界3拠点で生産しており、生産能力は韓国(大山・麗水 各15万トン/年)、マレーシア(タイタンケミカル、10万トン/年)。

 宇部興産は今回の合弁会社設立により、世界4拠点の能力を最大限に活用し、伸長するアジア市場における更なるプレゼンスの強化を図っていく。

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