日産・ダイムラー・フォード、燃料電池車開発で提携

2013年1月29日 10:24

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 ダイムラーAG、フォード、日産自動車は28日、燃料電池車(FCEV)技術の市販化を加速させるための3社間の合意書に調印したと発表した。

 今回の合意の目的は、FCEV技術の開発に関連する投資コストを低減させながら共通のFCEVシステムを共同で開発すること。各社は同プロジェクトに対し均等に投資を行う。デザインの共通性を最大限に高め、ボリュームを活用し、スケールメリットによって効率性をもたらす戦略により、早ければ2017年に世界初の手ごろな価格の量産型FCEVを発売する予定。

 ダイムラー、フォード、および日産は、FCEV開発に関し、合わせて60年以上の経験がある。3社がこれまで開発してきたFCEVは、世界中で顧客が運転する他、実証実験プロジェクトの一環として様々な条件下で1,000万km以上の試験走行を行ってきた。3社は今後、共通の燃料電池スタックと燃料電池システムを開発し、走行中にCO2を出さないFCEVをそれぞれのブランドに沿った全く異なるデザインで投入する予定。

 燃料電池スタックおよび燃料電池システムの開発は、3社共同で世界のいくつかの拠点で行われる。また、3社はさらなるシナジー創出のため、FCEV構成部品の共同開発についても検討している。

 水素と酸素で作られた電気をエネルギーとするFCEVが走行中に排出するのは水だけ。FCEVは、現在のバッテリーを使った電気自動車を補完するものとして考えられており、顧客が利用できるゼロ・エミッションモビリティの選択肢を広げることになる。

 また、今回の合意は、サプライヤー、政策立案者、産業界に対して、水素ステーションやFCEVの量産に必要不可欠なその他インフラのさらなる整備を促す明確なメッセージとなる。

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