トヨタとBMWが協業に関する正式契約を締結、燃料電池やスポーツカーを共同開発

2013年1月24日 19:36

印刷

 トヨタ自動車とBMWグループは24日、サステイナブル・モビリティの実現に向け、長期的な戦略的協業関係構築の一環として、本日「燃料電池(FC)システムの共同開発」「スポーツカーの共同開発」「軽量化技術の共同研究開発」に関する正式契約を締結したと発表した。同契約は昨年6月に締結した覚書に続くもの。加えて両社は、昨年3月に開始した次世代リチウムイオンバッテリー技術に関する共同研究について、第2フェーズとして、ポストリチウム電池であるリチウム空気電池技術の共同研究を開始することで正式契約を締結した。

 「燃料電池(FC)システムの共同開発」については、BMWとトヨタはゼロエミッション社会の実現に向け、FC技術の普及を共通の目標とし、中長期的な協力を進めていく。2020年を目標に両社の技術を持ち寄り、FC車の普及拡大を目指し、FCスタック・システムをはじめ、水素タンク・モーター・バッテリーなどFC車の基本システム全般の共同開発を行う。また、FC車の普及に必要な水素インフラの整備や規格・基準の策定に向け協力していく。

 「スポーツカーの共同開発」については、両社はミッドサイズのスポーツカーに搭載する共通のプラットフォームのコンセプトを決定するためのフィージビリティ・スタディを開始することで合意。顧客により満足してもらえるよう、両社の技術と知見を高いレベルで融合していく。同フィージビリティ・スタディは今年中に完了する予定。その後両社は、スポーツカーの共同開発に向けた将来の更なる協力について検討していく。

 「軽量化技術の共同研究開発」については、強化樹脂など先端材料を活用したボデー構造の軽量化技術の共同開発を行っていく。成果は共同開発するスポーツカーのプラットフォームや両社の他の車種にも織り込む予定。

 「ポストリチウムイオンバッテリー技術」については、エネルギー密度や燃費の面で現在のリチウム電池の性能を大幅に超えるリチウム空気電池を共同研究する。

 BMWのノベルト・ライトホーファー取締役会会長は、「トヨタとBMWグループは将来の持続可能なモビリティの実現に向けた戦略的ビジョンを共有している。これから迎える技術的な変革期により、自動車業界全体が大きなチャレンジに直面するが、同時に好機でもあると認識している。今回の協業は、両社の今後の継続的な発展にとり重要な礎になると確信している」と述べている。

 また、トヨタの豊田章男社長は、「提携合意から約1年、日々BMWとの信頼関係が強固なものとなり、着実に次のステップへ進み続けていることに感激している。ここからはいよいよ成果を出していくフェーズ。今後、具体的な共同開発の中での『学び』を大切にしながら、『もっといいクルマづくり』という共通の目標に向かって両社で切磋琢磨していきたい」と述べている。

 なお、両社は2011年12月に次世代環境車・環境技術における中長期的な協力関係の構築に合意。その際、BMWからトヨタモーターヨーロッパへのディーゼルエンジン供給についても合意している。

関連記事