三菱自、軽自動車エンジンのオイル漏れ不具合で4回目のリコール

2012年12月20日 14:30

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 三菱自動車は19日、同社製軽自動車エンジンのオイル漏れ不具合に関し、対象車の生産期間を拡大する追加リコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出たと発表した。同不具合に関しては、2010年11月から2012年3月にかけ3回にわたりリコールを届け出ており、今回で4回目となる。

 届出に先立ち、三菱自動車は、第1回、第2回リコール(第3回は対象車の一部追加のみ)の対象範囲や届出内容などが適正であったか、また、検討プロセスに問題点はなかったかについて社内監査部門を中心に検証作業を行ったとし、今回その調査結果を発表した。

 同社が今回発表した届出済みリコール(第1~3回)の概要によると、不具合があったのはエンジン(クランクシャフトオイルシール)。オイルシールは金属環に合成ゴムを焼き付けて製造した環状の部品で、エンジンのフロントケースの穴に挿入し、クランクシャフトに密着させてオイルが外に漏れるのを防ぐ機能がある。

 しかし、そのオイルシールにおいて、フロントケースの加工ばらつき及び、オイルシール圧入量ばらつき等の複合要因により、当該オイルシールの保持力が低下しているものがあり、そのため、当該オイルシールが抜け出しエンジンオイルが漏れ、油圧警告灯が点灯し、そのままの状態で使用を続けるとエンジン内部部品が焼付き、走行不能となるおそれがあるという。

 対象車種はミニカ、eK-WAGON、eK-SPORT、eK-CLASSY、eK-ACTIVE、ミニキャブ、タウンボックス、オッティ、クリッパーの9車種。なお、オッティとクリッパーはOEM車。1回目のリコールの対象台数は24万7,663台、2回目は29万9,320台、3回目は196台(一部追加のみ)。

 しかし、1996年1月~2004年10月生産車に関し、第2回リコール届出以降、品質情報連絡書や保証修理情報で不具合が新たに散見されたことから、販売会社への聞き取りも含めた詳細調査を実施。その結果、生産時と異なる材質の補修用オイルシールに交換された車両でオイルシールが抜け出していること、当該オイルシールに交換された車両が相当数存在することが判明。また、調査過程の2012年6月11日にはエンストも発生したという。

 三菱自動車はこれらを受け、当該オイルシールが相当数出荷されていると推定される抜けクレーム発生率の高い期間において、今後も交換された当該オイルシールが抜け出す不具合が継続して発生するおそれがあること、また、不具合が発生した場合、エンジンオイルが漏れ、油圧警告灯が点灯し、そのままの状態で使用を続けるとエンジン内部部品が焼付き、走行不能となるおそれがあることから、今回対象車両を追加する4回目のリコールを行うこととした。

 対象車はミニカ、トッポBJ、eK-WAGON、eK-SPORT、eK-CLASSY、eK-ACTIVE、ミニキャブ、タウンボックスの8車種で、1996年1月20日~2004年10月15日までに生産された車両であり、かつフロントケースのオイルシール挿入穴深さがこれまでのリコールと同一の車両のうち、生産時のオイルシールから異なる材質の補修用オイルシールに交換された車両につき改修を行うという。ただし、補修用オイルシールに交換された車両の特定ができないため、全車両121万6,466台を点検の上、対象車を限定し、改修を実施するとしている。

 なお、今回の4回目のリコールにより、リコールの対象台数は1回目から4回目の合計で176万3,645台にのぼる。

 三菱自動車は今回の事態について、「お客様をはじめ関係する皆様に、多大なご心配、ご迷惑をお掛けしますこと、改めてお詫び申し上げる」とコメントしている。

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