新政権期待第1幕相場終了へ=犬丸正寛の相場展望

2012年11月22日 21:58

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■日経平均9500円目指し押し目買い基調で目まぐるしい展開

  マーケットは新政権の景気対策に対する期待から、9月13日の8619円を直近のボトムとして連休前22日(木)には9356円まで、7営業日で約740円上昇した。

  とくに、厚い上値の壁となっていた9200円台を抜いている。この勢いから次は今年4月以来となる9500円水準が目標となっている。ただ、これからの相場を見るうえで2つのことが注目される。(1)これまで7営業日で740円高は、1日当りでは100円超の値上りである。これだけ調子の良い上昇がこれからも見込めるだろうか、ということがある、(2)今回の相場の第1幕は12月16日までで、相場のシッポが決まっているーーという2点である。

  とくに、12月16日の投票日までは営業日で15日。仮に、これまでと同じように1日平均100円高なら今の水準から1500円高して日経平均は1万0856円という計算にはなる。しかし、一気にそこまでは難しいだろう。既に、日経平均の30日線乖離率は危険水準の4%に接近している。

  さらに、選挙では伝えられていたような自民党中心の保守党の圧勝という見通しは不透明となっている。そうなれば、公共投資、超金融緩和などの景気対策が期待された通りにやれるかどうか鵜呑みにはできない。急速に進んできた「円安」も対ドルでは82円前後のフシに差し掛かっているため、これまでのような円安にはなり難いだろう。むしろ、円高へ揺り戻しがあるのではないか。

  そうすると、円安で買ってきた輸出関連銘柄の上値は重くなるだろう。公共投資、復興関連などの銘柄も利食い売りが先行する可能性がある。

  むしろ、こうした中で中国関連銘柄が息を吹き返す可能性がある。アメリカの仲介姿勢に加え中国の経済停滞などから中国が新指導部のもとで日本に対する姿勢を和らげる可能性もある。大きく下げている中国関連株だけに売り物出尽くし感から真空地帯を値を飛ばすことが予想される。

  日経平均は9500円を目指した押し目買い基調の中で、目まぐるしく物色銘柄が入れ替わる展開が予想される。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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