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岩手県の大槌町漁業協同組合が破産申請、負債は総額約15億5000万円
東京商工リサーチは9日、大槌町漁業協同組合(岩手県上閉伊郡大槌町)が10月5日、盛岡地裁に破産を申請したと発表した。負債は債権者約1000人に対し、総額約15億5000万円。
東京商工リサーチによると、大槌町漁業協同組合は地元漁業者の出資により協同組合事業を目的に設立したもの。鮭の定置網漁を中心に事業を展開し、ピークとなった昭和56年3月期には年商52億4545万円、8335万円の黒字を計上したが、近年は環境変化や鮭輸入の増加により業績はジリ貧となり、年商は10億円台に下降。過大な設備投資もあり、2010年3月期には5億円を超す債務超過に陥っていた。
さらに、2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波で建物や市場設備などが被災。震災による直接被害が追い討ちをかけた形となり、2011年3月期では年商5億5630万円まで減少し、津波損害損失6億4329万円を計上、債務超過額は11億2929万円にまで膨らんだ。震災前の組合員数は859人だったが、多額の負債を抱えたままでは国や県の補助金、融資を受けることが難しいことから、2012年1月13日に理事会を開催し事業継続を断念。同月20日、組合員説明会を開催し、同組合は解散し新組合を設立、事業や従業員を移管する方針を説明し事業を停止していた。
2012年3月1日、第二組合となる新おおつち漁業協同組合を設立し事業を移管。2012年3月期は年商4億円、1億2000万円の赤字を計上し任意整理の方針で手続きを進めてきたが、最終的には一部債権者の理解を得られず今回の措置に至った。
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