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【アナリストの眼】強含みの展開想定、企業業績の下振れ織込んだ可能性、SQ注意
<相場展望>
来週(10月9日~12日)の株式市場は、重要イベントを通過して企業業績に関心が集中する中、強含みの展開を想定する。中国リスクなどで企業業績下振れの可能性が高まっているが、株式市場はある程度は織り込んだと考えられる。国慶節明けとなる中国株式市場の動向や、週末12日のオプションSQ(特別清算指数)値算出に向けた思惑などにも注意が必要となるが、米国景気の底堅さを好感して米国株式市場が堅調なことや、外国為替市場でやや円安方向に傾いていることが支援材料で、出遅れ日本株の水準訂正が優勢となりそうだ。
前週4日のECB理事会、4日~5日の日銀金融政策決定会合、5日の米9月雇用統計など10月上旬の重要イベントを通過した。ECB理事会と日銀会合はほぼ予想どおりの結果で大きな波乱はなく、米9月雇用統計では非農業部門就業者の増加数が市場予想をやや下回ったが、失業率の低下がややポジティブな結果となった。そして前週末5日の海外市場では、米ダウ工業株30種平均株価が07年12月以来の高値水準となり、為替もやや円安方向に傾いた。日本の株式市場にとって安心感に繋がる状況だろう。
来週も大勢として海外要因次第の展開に大きな変化はないと考えられるが、企業業績下振れに対する警戒感をどの程度織り込んでいるかが焦点だろう。世界的な景気減速懸念に加えて、中国リスクで日本の企業業績に関しては下振れの可能性が強まっている。前週後半には中国での日本製品不買行動の影響などで、日系自動車メーカーの販売台数減少や10月以降の減産見通しも伝えられている。ただし業績下振れの可能性は、前週までにある程度織り込まれた可能性があるだろう。
一方で、米国景気に関しては住宅市場や雇用情勢の改善などで底堅さも見られる。ユーロ不安に関しては、スペインの支援要請を巡る思惑が交錯して楽観はできないが、過度な警戒感は後退している。また国内では、前原誠司経済財政相が5日の日銀会合に出席するなど、デフレ脱却に向けた強い意思をアピールしており、次回10月末の日銀会合での追加緩和期待が高まることも支援材料だろう。
来週の注目スケジュールとしては8日のユーロ圏財務相会合、ESM(欧州安定メカニズム)初会合、9日の日本8月国際収支、EU財務相理事会、10日の仏スペイン首脳会談、米地区連銀経済報告、11日の日本8月機械受注、G7財務相・中央銀行総裁会議、米8月貿易収支、12日の米10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、9日~14日のIMF・世界銀行年次総会などがあるが、外国為替市場で大きな動きがない限り、株式市場の反応は限定的だろう。また米国では9日のアルコア、12日のJPモルガン・チェースから主要企業の7~9月期決算発表が本格化する。「財政の崖」が警戒される中で、どのような業績見通しを示すかが注目されるだろう。
国内では、小売セクター主要企業の6~8月期決算発表がピークとなる。個人消費にやや減速感も見られるだけに9~11月期見通しが注目され、ここまで株価が堅調に推移していただけに高値警戒も必要だろう。一方で、業績下振れ懸念で売り込まれていた輸出関連や景気敏感関連などには、7~9月期決算発表でのアク抜けを期待した打診買いが入る可能性がありそうだ。また復興・防災・減災関連、再生エネルギー関連、SNS・ソーシャルゲーム関連、そして介護・医療サービス関連など、景気変動の影響を受けにくく値動きの軽い銘柄への物色も継続するだろう(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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