【編集長の視点】8月に続く急伸ルネサス、内外ファンドの主導権争いに思惑人気

2012年9月24日 10:49

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<マーケットトーク>

  ルネサスエレクトロニクス <6723> は、寄り付きから買い気配値を引き上げ、80円高の336円買い気配と急続伸し、ストップ高となっている。前週末22日土曜日付けの日本経済新聞で、政府系ファンドの産業革新機構を中心に日本企業連合が、年内に同社に1000億円超の出資をして買収すると観測報道されたことに反応。同様に今年8月の米系投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の買収観測報道で、同社株価が、ストップ高を演じたことを連想して、売り買い差し引き約300万株の買い物が集まっている。

  今回の株価急続伸は、8月のストップ高と比較感が働き、同社の経営再建に関して、国内官民ファンドが主導するのか、それとも海外投資ファンドが強力にバックアップするのか、図らずも腕比べする力関係を先取りする展開となっている。

  22日付けの観測報道によると、同社には8月末にKKRが約1000億円を出資する案を示したが、KKRの示した再建策通りに大胆な工場集約に踏み切った場合、自動車用のマイコンなどの安定供給の懸念や、経営再建後に同社株式が、中国・韓国企業へ売却されるなど危機感を強めてトヨタ自動車 <7203> 、パナソニック <6752> など日本を代表する製造業が、産業革新機構と組んで1000億円を共同出資し買収するとされた。

  なお同社は、きょう24日寄り付き前の8時40分に報道に関してコメントを発表、「報道内容は、当社が発表したものではない。決定した事実もない」とした。

  株価は、期初に予想困難としていた今3月期の業績・配当予想を8月に開示、通期純利益を400億円の赤字(前期は1150億2300万円の赤字)と水面下推移を予想、配当も無配継続とし、希望退職者募集が続いたことで年初来安値198円に迫る230円まで再調整、KKR買収観測報道で335円まで底上げしたあと、3分の2押し水準でもみ合ってきた。内外ファンドの経営再建主導権争いのなか再度、戻りを試す展開も想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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