【アナリストの眼】TAC、拠点校の減床など事業構造改革進む、株価底打ち

2012年9月4日 10:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【今、この銘柄】

  「資格の学校」を運営するTAC <4319> は、主力の財務会計分野(公認会計士、簿記検定)や法律分野(司法試験、司法書士、行政書士)の講座で個人受講者数減少が続いているが、株価は底打ち感を強めている。

  今期(13年3月期)第1四半期(4~6月期)連結業績は、売上高が前年同期比7.0%減の60億42百万円、営業利益が同17.4%減の4億79百万円、経常利益が同13.4%減の4億63百万円、純利益は同4.0倍の12億16百万円だった。新規の講座申し込みが低調だった。純利益については、事業構造改善費用2億37百万円を特別損失に計上したが、新宿校移転補償金17億50百万円を特別利益に計上したため大幅増益だった。

  通期については前回(5月15日公表)の会社予想を据え置き、売上高が前期比2.8%減の219億51百万円、営業利益が1億76百万円の赤字(前期は6億06百万円の赤字)、経常利益が2億40百万円の赤字(同5億30百万円の赤字)、純利益が6億58百万円の黒字(同7億99百万円の赤字)としている。第1四半期の利益は通期会社予想を上回っているが、資格試験実施時期や講座申し込み時期などの季節要因で、第1四半期は利益が多く出る収益構造のためとしている。ただし拠点校の減床、講師料の削減、希望退職者の募集など事業構造改革の効果で営業赤字幅は縮小する模様だ。配当も無配の予想を据え置いた。

  株価の動きを見ると、7月25日に年初来安値120円を付けたが、動意付いて8月16日に173円、17日に187円まで上昇する場面があった。足元は140円近辺で推移している。3日の終値137円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS36円12銭で算出)は3~4倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS120円17銭で算出)は1.1倍近辺となる。特別利益計上のため連結予想PERは参考外となるが、PBRにも割高感はないだろう。

  週足チャートで見ると26週移動平均線に押し戻された形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線を維持している。また一旦は6月21日の戻り高値169円を突破したことで底打ち感を強めており、反転のタイミングが接近しているようだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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