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■「人事制度のコンセプト」が考えられない理由
ただそうは言っても、特に中小企業では、この「人事制度のコンセプト」がなかなか考えられない事態が往々にしてあります。これは経営理念や事業計画など、上位の理念や計画が抽象的だったり、もしくは無かったりして、そこから連鎖するべき「人事制度のコンセプト」が作れないという状態です。担当の方から「うちの経営者は・・・」「うちの管理職は・・・」といったお話を聞くことがあります。
もちろん経営者や管理職が、上位の理念をみんなで共有できるように打ち出してくれるのが一番良いのでしょうが、他人に言われて「ハイそうですか」と作れるほど、そう簡単には行きません。
そんな時どうするか・・・。
私は「人事の理念だけでも自分たちで打ち出してしまえばよい」と言っています。経営者に話を聞くなり、提示されているものがあればそれを読み込んでみるなり、上位の理念を理解する努力をした上で、そこからのつながりで、自分たちで「人事理念」「人事制度のコンセプト」を考えれば良いということです。
本来の順序、あるべき姿とは違っても、「人事理念」「人事制度のコンセプト」をまとめることで、“経営理念”がより明確に捉えられるようになったり、人材のタイプと事業の方向性の整合が図られたりと、全社的な認識共有が促進されたり、上位理念を見直すきっかけになったりというケースもあります。
「うちの経営理念は抽象的でわからん」などと批判せず、今あるものをベースにまとめてみると良いと思います。
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