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■「人事制度のコンセプト」とは?
そこで、「人事制度のコンセプトって何?」ということですが、一言でいってしまうと「人事制度を通じて、どのように人的資源の活性化を図るのか」「活性化された状態とはどんなイメージなのかを共有する」ということです。
どんな会社でも、それが明文化されているか否かにかかわらず、何らかの“経営理念”はお持ちであろうと思います。そしてその“経営理念”に基づく“経営計画”や“事業計画”、“業績目標”など、目指すところがあるはずです。
これを実現するために、人的資源(人材)という切り口で、「どんな人材が必要か(人材要件)」「何が成果でどんな行動が必要なのか」という部分を考えたもの、それが「人事理念」「人事制度のコンセプト」ということになります。
「どんな仕事ぶりの」「どんな行動をする」「どんな性格の」「どんな職業観を持つ」人材が望ましいのかということで、「会社として望ましい人物像」といってもよいでしょう。
例えば、「その場の状況を自分で判断して、どんどん仕事を進めていくような人材」がいたとします。
ある組織では「自律性がある」「判断力がある」「仕事のスピードが速い」と高い評価を受けますが、別のある組織では「上司の判断を仰がない」「独断的である」「根回しができない」など、好ましくない人材とされてしまいます。
これは良い悪いでなく、それぞれの組織が自社の仕事の進め方において、それなりの期間で作り上げてきた組織の持っている特性です。「自律人材」というような言葉は、多くの企業で出てくるキーワードですが、そのイメージするところは組織によって全く違います。
ここを共有しない限り、人事制度の仕組みなどは、本来考えられるはずがありません。しかし、実際にはおろそかにされているのも実態です。
皆さんが人事制度作りを始めるにあたっては、最初はこの「人事制度のコンセプト作り」というプロセスに、十分な時間を使って頂くことが必要であろうと思います。
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