神舟9号の成功は中国が宇宙の覇権を握るための第一歩となるか

2012年6月22日 19:07

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 6月18日に中国の有人宇宙船「神舟9号」は無人宇宙実験室「天宮1号」と自動操縦でドッキングに成功した。この中国が果たした偉業の影で、新たな議論が生まれている。中国は大規模な宇宙ステーション建設を計画中しており、さらに次の十年で月面に人を送り込む計画を表明している(Yahoo! NewsAIR&SPACEpolicymicMSN産経本家/.)。

 外交政策の専門家やジャーナリスト、技術者たちは「中国が宇宙大国として米国に取って代わっているかどうかはこの十年にかかっている」と見ている。月面地質学者で宇宙政策に詳しいPaul Spudis氏と政治学教授のJohn Hickman氏は、中国は「いずれの国家も領有権を主張することはできない」と定めた1967年制定の「宇宙条約」を放棄するかもしれない可能性を示唆している。

 現在、中国は地球と月、月面を自由に移動できる宇宙航行能力を作り出すことを目指している。さらに公表している資料を見る限り、中国は核融合を実現するために不可欠なヘリウム3やチタン、レアアースといった月の資源採掘に注目している様子が分かる。

 いっぽう、NASAは予算の削減とともに開発力が大幅に減速しており、米国の宇宙開発はSpaceX社のような民間企業に頼らざるを得ない状況に陥っている。現在、オバマ政権はこうした中国の宇宙開発への動きに関しては沈黙を守っている。

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