【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】仏大統領選の不透明感や材料出尽くし感でユーロ売り・円買い優勢

2012年4月28日 18:51

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:4月23日~27日のユーロ・円相場】

■1ユーロ=106円20銭台~107円70銭台で推移

  4月23日~27日のユーロ・円相場は、概ね1ユーロ=106円20銭台~107円70銭台のレンジで推移した。ユーロ売り・円買いがやや優勢となり、週末27日の海外市場で終盤は1ユーロ=106円30銭~40銭近辺だった。

  週前半はスペイン国債利回り上昇に加えて、22日の仏大統領選第1回投票でサルコジ現大統領が苦戦したため、5月6日の決選投票に向けての不透明感などで、リスク回避のユーロ売り・円買いがやや優勢になった。さらに25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、27日の日銀金融政策決定会合という重要イベント通過後も、材料出尽くし感などでユーロ売り・円買いやや優勢の展開となった。

  ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末20日の海外市場では概ね1ユーロ=107円30銭近辺~108円00銭近辺で推移した。独4月IFO企業景況感指数が市場予想を上回ったことや、G20財務相・中央銀行総裁会議でIMF(国際通貨基金)の資金基盤強化で目標の4000億ドル超の確保にメドがついたことなどで、ユーロ買い・円売りがやや優勢だった。終盤は1ユーロ=107円80銭近辺だった。

  こうした流れを受けて23日の東京市場では概ね1ユーロ=106円50銭台~107円70銭台で推移した。午前は、22日の仏大統領選第1回投票でサルコジ現大統領が苦戦したため、5月6日の決選投票に向けての不透明感などでリスク回避のユーロ売り・円買いが優勢になった。午後は、中国4月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値が6カ月連続で50を下回ったが、3月に比べて改善したことを受けてユーロ売り・円買いが一服した。しかし終盤にはスペイン国債利回りの上昇、ユーロ圏の政局不透明感、ユーロ圏4月製造業PMIの悪化などでユーロ売り・円買いの展開となり、1ユーロ=106円50銭台に円が上昇した。23日の海外市場では概ね1ユーロ=106円30銭近辺~90銭近辺で推移した。前半はユーロ売り・円買いが優勢だったが、概ね小幅レンジでモミ合う展開だった。後半はユーロ買い戻しがやや優勢となり、終盤は1ユーロ=106円80銭~90銭近辺だった。

  24日の東京市場では概ね1ユーロ=106円30銭台~90銭台で推移した。豪第1四半期CPI(消費者物価指数)が市場予想以上に低下したため金融緩和観測が強まり、豪ドルが下落した流れでユーロ売り・円買い優勢の場面があった。しかし後半はユーロ買い戻し優勢となり、終盤は1ユーロ=106円90銭近辺だった。24日の海外市場では概ね1ユーロ=106円50銭台~107円30銭台で推移した。オランダ、スペイン、イタリアの国債入札を無難に通過したことに対する反応は限定的だったが、後半はユーロ買い・円売りが優勢となり、終盤は1ユーロ=107円30銭近辺だった。

  25日の東京市場では概ね1ユーロ=107円30銭台~60銭台で推移した。リスク回避姿勢の後退でユーロ買い戻し優勢の場面もあったが、米FOMCを控えて小動きだった。終盤は1ユーロ=107円30銭台だった。25日の海外市場では概ね1ユーロ=107円20銭台~60銭台で推移した。米FOMCを控えて小動きだったが、仏大統領選第1回投票で1位となったオランド氏が、ユーロ圏新財政協定の見直しに言及したことが警戒感につながる場面があった。終盤は1ユーロ=107円50銭近辺だった。

  26日の東京市場では概ね1ユーロ=107円20銭台~60銭台で推移した。小沢民主党元代表の無罪判決が出た直後に政局不安に対する警戒感で円安方向に傾く場面があり、午後には一転してユーロ売り・円買いがやや優勢の場面もあった。しかし日銀金融政策決定会合を控えて小動きの展開だった。終盤は1ユーロ=107円50銭台だった。26日の海外市場では概ね1ユーロ=106円40銭台~107円50銭台で推移した。欧州大手銀行の決算が不振だったことや、日銀の追加緩和に対する過度な期待感が後退したことなどで、ユーロ売り・円買いが優勢になる場面があったが、その後はユーロ買い戻しが優勢になった。終盤は1ユーロ=107円10銭近辺だった。

  27日の東京市場では概ね1ユーロ=106円30銭台~107円40銭台で推移した。日銀金融政策決定会合での追加緩和決定を受けて乱高下したが、結局は材料出尽くし感でユーロ売り・円買い方向に傾いた。日本時間早朝に格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がスペイン国債格付引き下げを発表したが、反応は限定的だった。終盤は1ユーロ=106円40銭台だった。27日の海外市場では概ね1ユーロ=106円20銭台~60銭台で推移した。日銀金融政策決定会合を通過してユーロ売り・円買いの動きが強まった。イタリア中長期債入札では落札利回りが前回を上回ったが、調達額が目標上限近辺に達したため反応は限定的だった。終盤は1ユーロ=106円30銭~40銭近辺だった。

  ユーロ・円相場に関しては、スペインの国債利回り動向に加えて、22日の仏大統領選第1回投票の結果を受けて政局不透明感が警戒された。さらに米FOMC、日銀金融政策決定会合ともに、ほぼ市場のコンセンサスの範囲でサプライズはなく、材料出尽くし感などでユーロ売り・円買いが優勢になった。

  5月3日のECB理事会と記者会見に加えて、6日には仏大統領選決選投票とギリシャ総選挙を控えているだけに、当面はリスク回避などで円買いの動きを強める可能性もあるだろう。

  来週以降の注目スケジュールとしては、4月30日のスペイン第1四半期GDP速報値、ユーロ圏4月消費者物価指数速報値、5月1日の中国4月PMI(購買担当者景気指数)(物流購買連合会)、豪中銀理事会、米4月ISM製造業景気指数、2日の日本マネタリーベース、ユーロ圏3月失業率、EU財務相理事会、3日のECB理事会(金利発表と記者会見)、4日の米4月雇用統計、6日の仏大統領選決選投票、ギリシャ総選挙、9日~10日の英中銀金融政策委員会、10日の日本3月経常収支、バーナンキ米FRB議長の講演、14日のユーロ圏財務相会合などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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