【銘柄診断】ツクイは好業績で、予想PERに割安感が強く、上昇余地あり

2012年3月25日 20:09

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

【介護サービス関連銘柄診断】

  ツクイ<2398>(東2)は、通所介護(デイサービス)などの在宅介護サービス事業を主力として、有料老人ホーム事業、人材開発(人材派遣、有料職業紹介)事業を展開している。

  神奈川県を地盤としているが、全国展開も推進しており、12年3月時点のセグメント別事業所数は、在宅介護事業(本社含む)が47都道府県447事業所、有料老人ホーム事業が13都府県24事業所、人材開発事業が31都道府県36事業所、全社合計が47都道府県507事業所となっている。

  11年4月~12月期累計のサービス別売上高は、在宅介護事業が前年同期比14%増の282億円(売上構成比77%)、有料老人ホーム事業(ショートステイ含む)が同23%増の53億円(同14%)、人材開発事業が同22%減の31億円(同9%)である。在宅介護事業の内訳は、通所介護(デイサービス)が同22%増の177億円、訪問介護が同2%増の52億円、訪問入浴介護が同1%増の21億円、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)が同2%増の18億円、居宅介護支援(ケアプラン作成)が同5%増の9億円などとなっている。

  12年3月期通期の業績見通し(非連結)については、売上高が前期比11%増の493億円、営業利益が同92%増の39億円、経常利益が同68%増の46億円、純利益が同85%増の25億円、予想EPS(1株利益)が167円26銭、年間配当が15.0円(第2四半期末7.5円、期末7.5円)としている。在宅介護サービスの利用者数の増加により、増収増益の見込みである。また、有料老人ホーム事業は入居率向上で、人材開発事業は拠点統廃合などで、いずれも黒字化の模様である。

  なお、11年4月~12年2月累計のサービス利用者数(速報値ベース)を見ると、訪問介護サービスが前年同期比4%増の130.8千人、訪問入浴サービスが同微減の43.4千人、通所介護サービスが同19%増の268.6千人、合計が同12%増の442.9千人となり、好調に推移している。

  12年4月の改正介護保険法施行で導入予定の「地域包括ケアシステム」への対応としては、在宅介護事業において、デイサービスでの365日営業やサービス時間の延長対応などに取り組んでいる。

  株価の動き(11年3月東証2部市場に上場し、ジャスダック市場は11年5月に上場廃止)を見ると、11年秋以降は大勢として900円台でのボックス展開だったが、1月末に900円台を割り込んで急落した。しかし安値圏の820円台から急反発し、足元では1000円台を回復してボックスレンジ上限突破の形となった。

  足元の株価水準を指標面で見ると、12年3月期会社予想ベースの予想PERは5~7倍近辺、予想配当利回りは1%台半ば、11年3月期BPS(1株当たり純資産406円94銭)ベースの実績PBRは2倍台半ばの水準である。

  好業績であり、予想PERに割安感が強く、上昇余地があるだろう。13年3月期の増収増益期待も考慮すれば、11年8月18日の高値1183円が視野に入るだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【介護サービス関連特集(2)】各社とも在宅医療・介護サービス分野の強化方針打ち出す(2012/03/25)
【特集】「小売(総合スーパー・大手コンビニ)関連」(2012/01/23)
プロの記者が急騰銘柄を徹底予想!日刊株式投資情報新聞(無料)メルマガ登録受付中!(2012/02/02)
犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2012/02/02)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事