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■ドル高・円安の地合い継続
3月12日~16日の週のドル・円相場は、概ね1ドル=81円90銭台~84円10銭台のレンジで推移した。ポジション調整の動きなどで円安一服となる場面もあったが、基調としてはドル高・円安の地合いだった。15日の東京市場では一時、11年4月中旬以来となる1ドル=84円10銭台に円が下落する場面もあった。週末16日の海外市場で終盤は1ドル=83円40銭近辺だった。
ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末9日の海外市場では一時、11年4月下旬以来となる1ドル=82円60銭台に円が下落する場面があった。ギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)が回避されたことや、米2月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことなどを受けて、米長期金利が上昇してドル買い・円売りに弾みがついた。ISDA(国際スワップ・デリバティブ協会)は、ギリシャ債務交換がCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)決済が発生するクレジット・イベント(信用事由)に該当するとの見解を発表したが、反応は限定的だった。終盤は1ドル=82円40銭~50銭近辺だった。
この流れを受けて週初12日の東京市場では、概ね1ドル=82円10銭台~50銭台で推移した。午前はややドル売り・円買いが優勢になる場面もあったが、12日~13日の日銀金融政策決定会合と13日の米FOMC(連邦公開市場委員会)を控えて様子見ムードを強めた。終盤は1ドル=82円20銭台だった。12日の海外市場では、概ね1ドル=82円10銭台~30銭台の狭いレンジでモミ合う展開だった。重要イベントを控えているうえに、主要経済指標の発表がなく小動きに終始した。
13日の東京市場では、概ね1ドル=81円90銭台~82円40銭台で推移した。日銀金融政策決定会合に対する思惑で午前はドル買い・円売りがやや優勢だったが、午後2時過ぎに日銀金融政策決定会合で追加金融緩和が見送られると、1ドル=81円90銭台に円が上昇する場面があった。その後、白川日銀総裁が記者会見でデフレ脱却に向けた姿勢を示したため追加緩和観測が強まり、再びドル買い・円売りが優勢となった。終盤は1ドル=82円40銭近辺だった。13日の海外市場では、1ドル=83円00銭台に円が下落した。米2月小売売上高が5カ月ぶりの大幅な伸びとなったことや、米FOMC声明を受けて追加金融緩和観測が後退してドル買い・円売りが優勢だった。終盤は1ドル=82円90銭台だった。米FOMCでは政策金利を据え置き、低金利を14年末まで継続することを確認した。また景気認識を上方修正し、ガソリン価格の上昇に警戒感を示した。
14日の東京市場では、概ね1ドル=82円80銭台~83円30銭台で推移した。ドル買い・円売りがやや優勢だったが、中国株式市場の下落などでリスク回避の動きもあり小動きだった。14日の海外市場では、1ドル=83円80銭台に円が下落した。米国の追加金融緩和観測の後退や長期金利の上昇を受けて、ドル買い・円売りの動きが続いた。米第4四半期経常収支は1241億ドルの赤字となり、第3四半期改定値の1076億ドルの赤字に比べて市場予想以上に赤字が膨らんだが反応は限定的だった。終盤は1ドル=83円70銭近辺だった。
15日の東京市場では、午前中に11年4月中旬以来となる1ドル=84円10銭台に円が下落する場面があった。その後はドルの上値がやや重くなり、終盤にかけてドル売り・円買いが優勢となった。1ドル=83円60銭台に円が上昇する場面もあり、終盤は1ドル=83円70銭台だった。15日の海外市場では、1ドル=83円20銭近辺に円が上昇する場面があった。米2年債利回りが低下したこともあり、ポジション調整のドル売り・円買いが優勢になった。米新規失業保険申請件数、米3月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は市場予想以上に改善したが、反応は限定的だった。終盤は1ドル=83円50銭~60銭近辺だった。
16日の東京市場では、概ね1ドル=83円20銭近辺~60銭近辺で推移した。序盤はドル売り・円買いがやや優勢になる場面もあったが、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁の「2013年には金利引き上げが必要になる可能性が高い」との発言を受けてドルが下げ渋り、モミ合う展開となった。終盤は1ドル=83円50銭台だった。16日の海外市場では、概ね1ドル=83円20銭近辺~90銭近辺で推移した。序盤はドル買い・円売り優勢だったが、米2月消費者物価のコア指数が市場予想を下回ったことや、米3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値がやや低調だったことを受けて、ドル売り・円買いが優勢になった。終盤は1ドル=83円40銭近辺だった。
ドル・円相場に関しては、ポジション調整の動きなどで円安一服となる場面もあったが、基調としてはドル高・円安の地合いが継続している。ギリシャ問題が落ち着いてリスク回避姿勢が後退したこと、米景気回復期待で追加金融緩和策観測が後退していることに加えて、日本の経常黒字減少に対する懸念が高まっていることも、ドル買い・円売りにつながっている。
注目された12日~13日の日銀金融政策決定会合、13日の米FOMCでは、いずれも政策金利を据え置き、追加金融緩和策は見送られた。雇用関連指標など米主要経済指標の改善が相次いでいることもあり、米長期金利が上昇して、量的緩和策第3弾(QE3)観測は大幅に後退している。当面はドル高・円安の地合いが継続する可能性が高いだろう。そして引き続き、日米両国の金融政策に対する思惑が焦点となりそうだ。
当面の注目スケジュールとしては、19日のユーロ圏1月経常収支、20日の米2月住宅着工件数、20日と22日のバーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演、22日の日本2月貿易統計、米2月景気先行指数(コンファレンス・ボード)などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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