Appleの「Mastered for iTunes」、CDとどう違う?

2012年3月1日 08:00

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 先日AppleがiTunes Storeにおいて、「Mastered for iTunes」というiTunes専用のマスタリングが行われた楽曲提供を開始した。このマスタリングは従来のフォーマットとどう違うのか、英国のマスタリングエンジニアIan Shepherd氏が分析している(CE Pro Blogs本家/.)。

 「Mastered for iTunes」は、アーティストやエンジニアの意図通りのサウンドを楽しむことを目的としたマスタリングとのこと。Shepard氏はロックバンドRed Hot Chili PeppersのアルバムについてMastered for iTunes版と従来のAACフォーマット版、そしてCDに収録されている楽曲という3バージョンの比較を行ったとのこと。

 その結果、CD版とMastered for iTunes版との波形の違いは、CD版と従来のAAC版との違いよりも大きかったという。つまり、「CDにより近い」という点では従来のAAC版に軍配が上がったそうだ。これはよりロスの少ない圧縮を目指して多くのエンジニアがエンコーダーに力を注いできたことの証でもあるという。

 Mastered for iTunesはCDからマスタリングされたAACフォーマットよりもより高品質、高解像度な音を楽しめると謳っており、CD向けにマスタリングされる前のオリジナルマスターからの変換が可能なのは事実だそうだ。ただし現在の曖昧なマーケティング方法では単なる「販売戦略」であるとのクレームが出てきても不思議はないとShepard氏は指摘している。

 Appleによる解説によると、Masterd for iTunesの楽曲ではiTunes Storeへのデータ送信の際、CDで使われている16ビット/44.1kHzというフォーマット以外のマスター(Appleは24ビット/96kHzを推奨している)を受け付けている模様。レーベル/アーティスト向けにAppleが利用するのと同じエンコーダやプレビューツールなども提供されている。

 スラッシュドットのコメントを読む | アップルセクション | アップル

 関連ストーリー:
Apple、日本でも「iTunes Plus」や「iTunes in the Cloud」を開始 2012年02月23日
Apple が Apple Lossless コーデックをオープンソースで公開 2011年10月31日
現在のオーディオシステムは、昔のものよりも音が悪い? 2011年08月01日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事