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ロシア、火星探査機「フォボス・グルント」との交信を断念か
Image credit: ESA[写真拡大]
ロシア連邦宇宙局は12月7日、先月9日に打ち上げられ、エンジンの噴射に失敗し、コントロールを失った火星探査ミッション「フォボス・グルント(Phobos-Grunt)=フォボス・ソイル」との交信をほぼ断念したようだ。
ロシア側からの要請を受け、これまで欧州宇宙機関(ESA)はオーストラリアやカナリア諸島の制御局を使って、「フォボス・グルント」との交信を続けてきたが、信号を数回受信できたものの、通信確保には至らず、交信できる可能性が低くなったことから、12月3日に交信を断念した。
インタファクス通信によると、ロシア側からの再要請を受け、ESAは12月5日から「フォボス・グルント」との最後の交信が実施されているが、これまで全て失敗に終わっているという。この最後の交信は12月9日まで続けられる予定となっている。
「フォボス・グルント」を乗せたゼニット・ロケットは11月9日に打ち上げられたが、「フォボス・グルント」のメインエンジン(MDU)が点火せず、予定されている火星に向かう軌道へ遷移できず、地球周回軌道に投入された。
「フォボス・グルント」は現在、地球周回軌道を周回しているが、高度が下がりつつあり、早ければ今月中にも地球に落下する見込みとなっている。
なお、「フォボス・グルント」には中国初の火星探査機「蛍火1号」も搭載されている。
「フォボス・グルント」はロシアの火星探査のサンプルリターンミッションで、火星の衛星フォボスに着陸した後、フォボス表面の土壌サンプルを採取し、地球に持ち帰る計画だった。一方、「蛍火1号」は重さ約115kg、カメラや磁力計などを搭載し、火星の近くで「フォボス・グルント」から分離し、火星周回軌道に投入された後、約1年間にわたって火星と衛星のフォボスを観測する予定だった。
■ESA responds to Phobos-Grunt tracking request
http://www.esa.int/export/SPECIALS/Operations/SEM3T55XPVG_0.html
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