トヨタと富士重の共同開発小型FRスポーツ「86」、「走りの楽しさを実現」する数々の特徴

2011年11月28日 11:26

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「86」(プロトタイプモデル)(画像:トヨタ自動車)

「86」(プロトタイプモデル)(画像:トヨタ自動車)[写真拡大]

 トヨタ自動車は27日、「クルマの夢や楽しさをお客様に提供したい」という思いのもと、ドライバーの感覚ひとつでいかようにも取り回せる“手の内感”や操る楽しさを体感できる『直感ハンドリングFR』をコンセプトに、富士重工業(SUBARU)と共同開発した、2012年春に発売予定の小型FRスポーツ「86(ハチロク)」を発表した。

 「86」は、別次元のハンドリングを実現するため、軽量、コンパクトなFRプラットフォームを専用設計し、量産4人乗りスポーツカーとしては世界最小サイズを実現。さらに、低重心の特長を徹底的に追求したパワーユニットをフロントミッドシップに配置することにより、超低重心、低慣性化を追求し、スーパースポーツカーに匹敵する低重心を実現した。また、爽快なシフトフィールを実現した6速MTとMT感覚のスポーツドライビングが可能なスポーツ6速ATを設定した。

 エンジンは、SUBARUの水平対向エンジンをベースに、高出力と環境性能の両立に寄与するトヨタの最新直噴技術D-4Sを組み合わせた世界初の「水平対向・D-4S」エンジンを新開発し、卓越した出力・トルク性能と中低速レスポンスを実現。直噴とポート噴射を使い分けるツインインジェクターを採用したD-4Sは、高圧縮比12.5を実現。幅広い回転域で高出力・大トルクを引き出すとともに、高い環境性能の実現にも寄与している。最高許容回転数は毎分7,000回転以上、最高出力200馬力(PS)を発揮し、加えて燃費もスポーツカーでありながら、2Lエンジン搭載のセダンに匹敵する環境性能を確保した。

 スポーツドライビングの楽しさを極めたパッケージも特長。超低重心パッケージの採用により、トヨタブランド(市販車)では、最も低いヒップポイントとし、非日常感を味わえるドライビングポジションを実現した。後席シートバックを前倒しすると、スポーツ走行用のタイヤ4本や工具類、またはゴルフバッグを2本まで収納することができる。

 外形、内装、カラーともデザインテーマを“NEO FUNCTIONALISM”とし、水平対向エンジン・FRという独自のパッケージを活かし、操る楽しさや美しさまでもスポーツカーの機能として造形した「普遍的な機能美」を最先端の技術や思想により創出した。

 エクステリアは、「低く・楽しく・美しく」を狙い、低重心パッケージと空力性能を基本に、操る楽しさを生む先進性能をエモーショナルに具現化し、長く愛される普遍的な造形美を追求。フロントには獲物を捕らえるような眼差しを表現したトヨタ独自の「キーンルック」、サイドはトヨタスポーツカーのヘリテージをモチーフとして、近代的にアレンジしたサイドウィンドウグラフィックやリヤフェンダーを採用。リヤビューは凝縮されたコンパクトなキャビンにワイドで安定感のあるスタンスと軽快感を追求した。

 インテリアは、スポーツカーの本質を追求し、ドライビングに対するニーズを突き詰め、機能部品と操作性に重点を置き、各要素形状、配置、素材を最適化した。スポーツ走行による前後左右のG(重力加速度)に耐えられるよう、人体を面で支えるシートバックおよびクッション断面を追求し、かつシフト操作性に考慮し肘部が当たりにくい形状のフロントシートを採用した。また、トヨタ最小径365mmの真円ステアリングを採用。テストドライバーと確認を重ねて最適なグリップ断面形状を実現し、操舵性と握り心地を追求した。メーターは、タコメーターを中心に配した3眼タイプを採用。表示配置を始め、目盛り、数字の書体までこだわって精度感を付与するなど、スポーツ走行中の視認性、瞬読性を追求した。

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