政治家の「器」を垣間見た気がした…ところから、なぜか連想?=田北知見の銘柄ウオッチ

2011年11月4日 17:50

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

『文藝春秋』誌11月号を読んだ。10月8日発売号なので、すでに次号が出ているのかもしれないが、待合室でたまたま手に取ったところ、おもしろかったのでつい読みいってしまった。目玉特集のひとつは「田中角栄の恋文」。

『文藝春秋』誌11月号を読んだ。10月8日発売号なので、すでに次号が出ているのかもしれないが、待合室でたまたま手に取ったところ、おもしろかったのでつい読みいってしまった。目玉特集のひとつは「田中角栄の恋文」。[写真拡大]

(株式ジャーナリスト:田北知見の銘柄ウオッチ)

  『文藝春秋』誌11月号を読んだ。10月8日発売号なので、すでに次号が出ているのかもしれないが、待合室でたまたま手に取ったところ、おもしろかったのでつい読みいってしまった。目玉特集のひとつは「田中角栄の恋文」。田中角栄元首相が、婚外の恋人であり、仕事上のパートナーでもあった佐藤昭さんに宛てた手紙類。それらがこのほど、昭さんと角栄氏の娘、佐藤あつ子さんが母親の遺品を整理していたおりに発見されたということで、評論家の立花隆氏の解説等をまじえて掲載されていた。

  手紙類は、角栄氏の直筆で「君(昭さん)とあつ子を誰よりも愛し、将来の幸福のため全力を尽くします」という内容の念書?のような物から、あつ子さんが生まれてすぐの頃なのか、「新生活の準備のために、とりあえずサンウェーブの株を売ったお金1500万円を渡します」といったような内容の物、昭さんに約2億円を借りるという借用書?のような物までさまざまあり、人間・田中角栄の息遣いが感じられるようでおもしろかった。

  ところで、同号には別の記事の「時代を創った女」というシリーズで、ジャーナリストの青木理氏による「中西ミツ子/総理を倒した元芸者と『マドンナ旋風』」が掲載されていた。1989年に、元芸妓の女性が宇野宗佑首相(当時)の愛人問題を週刊誌で告発。この問題が要因のひとつになり、自民党が選挙で惨敗したため、宇野氏は首相を引責辞任した。これらの経緯などについて、新たな取材等をもとに、現在の視点から、当時の状況等を振り返った内容となっている。

  その記事で、女性や周囲の人たちの話を読む限りでは、宇野氏は最初から最後まで女性を道具のように扱ったという印象を受ける。記事には、その女性の「元愛人と呼ばないでほしい。私は宇野氏から『愛された』ことはないのだから」といったような内容のコメントも載っており、胸に迫る物を感じた。

  角栄氏と宇野氏は置かれた状況も時代も違うし、一概に比べられはしないが、それでも、「両者の、政治家として、人間としての違いは、たとえばこういうところにもあったのではないか」と私は思った。カネと権力を持ち、何でも思い通りにしようと思えばできる立場にいても、愛する女性と子供に対しては誠実でありたいと、大真面目に「念書」を書く角栄氏に、人間としての器の大きさを見たように思う。婚外の恋人や非嫡出子をつくることが、社会的に、道徳的に、そして正妻や嫡出子に対して誠実かどうかは、また別の問題だが…(笑)。

  上記の文とは関係ないが、「政治とカネ」から連想して(?)、建設業セクターで優良銘柄を探してみた。

★ダイセキ環境ソリューション <1712> (東1)

  汚染土壌の調査、処理、リサイクル事業を行なっている、ダイセキ環境ソリューション <1712> (東1)を入れる。4日終値は2700円高の18万5300円。単位1株。PERは約41.1倍、PBRは約2.3倍となっている。チャートは9月26日につけた直近安値17万1700円からは反発したが、ここのところ、18万円台でモミ合いが続いている。上放れで、まずは20万円フシまでの戻りが目標か。10月中旬にコスモ証券が出したレーティング(投資期間6ヵ月)では、投資判断「B+」(5段階の2位)、目標株価23万円とされた。業績は好調。前期が凹んだとはいえ、今期2012年2月期は前年比2ケタ増収、営業・経常・純利益とも同2倍以上の増益を見込んでいる。

★積水ハウス <1928> (東1)

  積水グループで、工業化住宅請負、不動産販売・賃貸事業を行なっている、積水ハウス <1928> (東1)を入れる。4日終値は7円高の683円。単位1000株。PERは約13.0倍、PBRは約0.6倍となっている。チャートは3月14日につけた年初来高値944円から反落し、以降は続落トレンドとなっていた。が、8月19日に年初来安値642円をつけて以降はリバウンド。この1~2ヵ月ほどは700円ライン前後でモミ合っている。長期チャートで見ても、とくに高値圏というわけではなく、PERやPBRを見ても、とくに割高感・過熱感は感じられない。まずは750円フシ上抜けを目指す。SMBCフレンド調査センターが2日付けで出したレーティングでは、「強気」(今後6ヵ月間の目標株価が現在の株価を10%以上、上回ると判断する)据え置きとされた。(執筆者:田北知見 株式ジャーナリスト・日本インタビュ新聞社IR記者)

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