【銘柄診断】ゼリア新薬は高値更新、新薬期待に安値期日接近の好需給思惑オン

　　ゼリア新薬工業 <4559> は３０日、２７円高の１１２７円まで上げて２０円高の１１２０円と３営業日続伸、２９日ザラ場につけた年初来高値１１２０円を更新した。昨年９月に製造販売承認申請した機能性ディスペプシア（ＦＤ）治療剤への期待感を高め、８月に発表した今３月期第１四半期（１Ｑ）の好決算を見直してディフェンシブ株買いが続いており、３月の上場来安値７７５円の絶対期日が来月上旬に迫っていることから売り方の買い戻しも上乗せとなった。

　　ＦＤ治療薬は、世界初として国内発売されるもので、国内では成人の４分の１がＦＤ症状を抱えるといわれるだけに大型新薬の期待も高く、同社では新薬発売に向けてＭＲ（医療情報担当者）を約３割増強し５００人体制を構築している。

　　このため今期１Ｑ業績は、前年同期比１５％増収、３．９倍経常増益、３．４倍純益増益と大幅続伸し、期初予想の第２四半期（２Ｑ）累計業績に対して高利益進捗したが、新薬発売に備えた営業体制の整備負担などから、２Ｑ累計・３月通期業績は期初予想を変更しなかった。通期純利益は、２２億５０００万円（前期比２２％増）と続伸を予想している。

　　株価は、東日本大震災発生でつけた上場来安値から今期業績の続伸・連続増配予想で１０００円台を回復、１Ｑ好決算をキッカケに高値追いとなった。投資採算的に割安感は乏しいが、安値期日接近で株不足・逆日歩に攻められる売り方の買い戻しも予想され、上値トライが見込まれる。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）

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