防潮堤等の対策ができるまで浜岡原発停止を要請

2011年5月7日 15:30

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記事提供元:スラド

  maia 曰く

 菅首相は6日、浜岡原発の全原子炉停止を中部電力に要請したことを発表した。停止期間は、高さ15メートルの防潮堤が完成する2~3年後までとなる見通し。要請に強制力はないが、中部電力は受け入れる方向で調整中(asahi.comの記事海江田経済産業相の声明YOMIURI ONLINEの記事)。

浜岡原発を停止させる理由として、菅首相は30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する可能性が87%という点を挙げている。浜岡原発は4、5号機が現在稼働中。3号機は点検のため運転を停止中で、1、2号機は運転を終了している。従来中部電力は東海地震による津波の高さを8メートルと想定しており、浜岡原発が津波により浸水することはないとしていた。しかし、福島第1原発を襲った津波が14~15メートルだったことを受け、原子炉建屋が6~8メートル浸水するとの想定を公表している。これに備えて中部電力では、15メートルの防潮堤新設を決めたほか、5月中の完了を目指して排気口や配管の対策、搬入口や扉の補強などの津波対策を進めている(msn産経ニュースの記事)。

中部電力の幹部は、すべての原子炉を停止させた場合には東京電力への電力融通をやめることになるとの見通しを示した。計画停電は回避できても、夏の節電が社会問題になるのは避けられないだろう。火力発電の燃料確保およびコストが重い負担となるのは東京電力、東北電力と同様だ(asahi.comの記事)。

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