三菱、2013年までの新中期計画を発表-新興市場向けの戦略車種や環境対応技術に資本集中

2011年1月21日 10:03

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 三菱自動車は20日、2011年から2013年までの新たな中期経営計画「ジャンプ 2013」を発表した。

 今後成長が期待される新興市場向けに需要増が見込まれる小型・低燃費・低価格の世界戦略車やSUVのラインナップ強化し、2013年の販売台数を2010年に比べ28万台増加させる。

 一方、緩やかな回復が見込まれる成熟市場では電気自動車とプラグインハイブリッド車の環境対応車を投入し、2013年まで9万台増加させ、2013年の世界販売台数を137万台まで増やすことを目指す。

 このため、新興国での生産能力を増強させ、新興市場の需要増に対応する。具体的には、日本に次ぐ第2の輸出拠点にするためタイで第3工場を建設する。中国では新合弁会社を通じて生産力を増強させる。ロシアでは新型SUVの生産を開始する。

 一方、日米欧の生産拠点では、販売台数計画に沿って生産能力を適正化していく計画である。米国拠点では北米販売と輸出に向け新生産モデルを投入する一方、欧州拠点では欧州地域専用車の『コルト』の後継車投入を取り止める。また、国内拠点は日産自動車との軽自動車事業における協業などで国内生産台数の増加と効率化を狙う。

 ほかに、抜本的なコスト構造の改革を行う。コスト低減を強力に推進する社長直轄の組織を立ち上げ、円高環境の中で最適なグローバル調達体制を構築するなどで、2013年度の資材費を2010年度見通しに比べ約900億円低減する。

 三菱は同計画により、2013年度は売上高2兆5,000億円(2010年度見通し1兆9,000億円)、営業利益900億円(同450億円)、当期利益450億円(同150億円)の業績を達成することを目指している。

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