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リスク取らざるは株にあらず=犬丸正寛の相場格言
この言葉には二つの意味が込められているように思います。一つは、株式投資にはリスクはつきものであるということです。もうひとつは、キズのない優良株ばかりに、投資するようでは大きく儲けることはできないという教えです。[写真拡大]
■リスク取らざるは株にあらず
この言葉には二つの意味が込められているように思います。一つは、株式投資にはリスクはつきものであるということです。もうひとつは、キズのない優良株ばかりに、投資するようでは大きく儲けることはできないという教えです。
最近は、低金利が当たり前の世の中となり、預貯金から株式投資を考える人が増えています。しかし、それでも、いまだに株式投資は怖いという人も大勢います。つい最近まで、金利が高く、しかも銀行が経営不安に陥っても預金は保護されていましたから、預金に慣らされてきたためです。そのような預貯金と比較すれば、仮に、倒産すれば紙くずになってしまう株式はリスクの高いものです。
ところが、その預金も1000万円を超える金額については、今では保護されなくなりました。株式だけがリスクが高い、と言っていられなくなっているのです。預金だって金融機関を選ばないと危ない時代です。
また、お金だけにかぎらず、この世はすべてリスクでいっぱいです。個人なら、一歩外に出れば交通事故など命にかかわるいろいろなリスクがありますし、就職すればどのような上司に仕えるか、結婚相手と相性が合うかなど、生きてること自体がリスクでいっぱいです。
企業でも、新商品の開発、新工場建設、海外進出、M&A(企業の提携買収)、新入社員の採用にいたるまで、様々なリスクに囲まれています。株だけがリスクではないのですから、毛嫌いしないで、リスクを前向きに受け入れて株式と接してみなさいと教えているのだと思います。
一方、既に、株式投資を行っている人でも、歴史のある優良株ならリスクを回避できると思っている人は多いのです。しかし、安心だと思っていた経団連企業のような、伝統のある企業でも、最近、不祥事の目立つのは名門企業です。
こうした銘柄は、株価の大幅下落にとどまらず、上場廃止に追い込まれているところもあります。仮に、株を保有している人なら、黙っていれば、値下がりによる痛い思いだけですみますが、こうした会社に勤めている人なら片身の狭い思いを強いられることになってしまいます。
このように、身の回りには、リスクのないものなど、存在しないことを知ることが大切です。その上で、リスクの大きさや程度を把握して資産運用をすることです。そして、今回の言葉は、かなりリスクが高いと思われている無配株のような銘柄こそ、リターンは大きいと教えています。そのようなハイリスク銘柄を研究することが株式投資の真髄に近づくことになるということです。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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